14.やっぱりあなたが好き ページ16
｢こんなタイミングで言うことじゃなかったよね。気まずくさせてごめん｣
｢……ふふ｣
｢え？｣
なんで笑ってるのー！おかしそうに目尻を下げて微笑むなるせくんをジロジロ見れば、ごめんごめんって咄嗟に謝ってくる。
｢さっきは俺が気まずい空気にしてごめんって謝ったのに、今度は立場逆転してるからおもしろくて｣
｢面白くなんてないよ……｣
｢だよねえ。ごめ……ぷぷぷ｣
｢ねえ笑ってるじゃん！｣
｢あは、ごめんって｣
纏う空気がやわらかいものに変わった。もう気まずいなんて思わない。なるせくんが笑いに変えてくれたおかげ。
やっぱり好きだなぁって、そんなところが好きって思ってしまった。
思ったところで。この気持ちは行き場がないから。ちゃんと蓋をして、閉じ込めておかなくちゃいけない。今日はだめだったけど、これからはそうしなきゃ。
なるせくんの隣にいるためにはそうすべきなんだ。
｢春服見る？この前欲しいって言ってたじゃん｣
｢あ、見たい！Honeys行く！｣
｢ハニーズ？Honeys!!｣
｢ねえやだ無駄に発音いいのやめて｣
あはは、って楽しそうに笑う。心からそう思っているように。
それだけで私は安心した。
もう2人きりで出かけることはないかなって思ってた。学校で話すのも、徐々に減っていくんだろうなって。
だけど相変わらずなるせくんは昼休みになると弁当食べよーぜって誘ってくるし、私が日直のときは一緒に黒板消してくれるし。古典のノートとか、あとは皆が全然取ってない生物のノートを写させてーって頼まれたりする。そういうひとつひとつの事が嬉しくて、後でやっぱり悲しくなる。なるせくんは私に振り向いてくれることはないのに、仲の良い友達で居続けなきゃいけない。
それでも、隣にいられないよりかは。もう話せなくなるより全然いい気がした。
だから私は今日も、なるせくんの隣に並ぶ。
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かとを74(プロフ) - 私 専用 誘拐犯の続編も気になりますし、正直この作品も素敵なのでっ続けてほしいです。 (4月5日 17時) (
レス) @page23 id: e7ab028975 (このIDを非表示/違反報告)
h - もし良ければこのお話を続けて頂きたいです (4月4日 2時) (レス) @page23 id: 721a3011a7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：鏡花 | 作成日時：2024年2月10日 11時
