12.すごく嬉しいよ ページ14
でもそんな、なるせくんに比べたら私の秘密なんて本当にちっちゃいものだし。
だけどこうやって真剣な顔で守るって言ってくれるのが嬉しくて、つい頬が緩んだ。
｢今は、なるせくんは大丈夫なの？｣
｢まあ、ラップが何かも分からない奴に何言われても別にーとは思うんよ。今では｣
｢強くなったんだね｣
｢自分の作品には誇りと自信がありますからね。あの時は、はじめたばっかで周り囲まれて何も出来なかったから｣
｢そっか……｣
その時そばにいてあげたかったな。
今日は家に帰ってすぐなるせくんの動画を見よう。
絶対絶対、次の日良かったよって言うんだ。
なるせくんが傷つけられた分だけ、いやそれ以上に私の言葉で上書きしたい。
そんな気持ちでじーっと見つめたら、その視線に気づいたなるせくんが困った顔のまま笑った。寂しそうな笑顔。
彼の弱い部分を見れた気がして、不謹慎だけど嬉しいと思ってしまう。
そんな自分に反吐が出る。
｢ごめんな、気まずい空気にして｣
なるせくんが申し訳なさそうに謝る。
｢……ううん。なるせくんのこと知れてよかったよ｣
ほんとにそう思ってる。
なるせくんがその話をしたのが、他でもなく私でよかったと。
逆に、どうして私なのかとも思う。めいちゃんはこの事を知っているんだろうか。
あらきさんとなるせくんの音楽室に、めいちゃんも当たり前のようにそこにいるのだろうか。
分からないけど、2人の関係はそれを話せないほど薄っぺらいものには見えない。
ああでも、仲が良すぎて話せないっていうのもあるよね。
でもさ、いつも言ってる
『だからぁ、ほんとに寂しいんだったらいつでも駆けつけるから』
って言葉、そういう意図を含んでいるのだとしたら。
今までのストーカー発言が、あんなに気持ち悪かったのにすべて愛おしく思えてしまった。
ふと、なるせくんの手元を見る。力の入った指が、ダボダボのズボンにくい込んでいる。
そんなに力入れたら、血出ちゃうよ。
もしかして、私に話したこと後悔してる？
だとしたら私はすごく悲しいよ。
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かとを74(プロフ) - 私 専用 誘拐犯の続編も気になりますし、正直この作品も素敵なのでっ続けてほしいです。 (4月5日 17時) (
レス) @page23 id: e7ab028975 (このIDを非表示/違反報告)
h - もし良ければこのお話を続けて頂きたいです (4月4日 2時) (レス) @page23 id: 721a3011a7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：鏡花 | 作成日時：2024年2月10日 11時
