じゅうなな ページ17
「ちょっと。今うちの賢二郎バカにしたネ？」
ギギギ。聞き慣れたモンスターの声を耳にして、機械のような音を出しながら顔を向ける。そこには白鳥沢ゲスブロッカーの、天童覚がいた。
「この強豪校で2年の正セッターなんだから！確かに性格はキツいし目は死んでるけど！」
「……天童さん？」
「五色も1年生の中で唯一レギュラーなのよ？舐めてもらっちゃ困るわ！」
なんだろう。天童さんがテンション高い。
いやそれはいつも通りなんだけど、歌をうたうわけでもなく、牛若にちょっかいかけるわけでもなく、ただひとりでワクワクしてる。
は！これは！
ノッてきた、ってやつでは？
「皆さん、あれを」
「Aちゃん。いいの？」
「はい。うちの可愛い白布を侮辱されたんです。白鳥沢を怒らせたらどんなことになるか、分からせてやりましょう」
ニヤッと口角が上がる。
狼のようにギラギラした瞳がネット越しの青葉城西を捉える。
舌なめずりをして、ボールを手で転がしながら。
強者たる面持ちで、あくまで冷静に相手を挑発する。
「いくぞ！」
「さっこーい！」
ピーっと笛が鳴る。
と同時にサーブを打つ。セッターの背後を狙ったそのサーブは、上手いこと回転がかかりながら進んでいく。だが、リベロがそのボールを上げ、セッターがまるでAパスが上がったかのようにすんなりとスパイカーへとセットする。
セッターは、自分の背後から上がると、振り返ってボールを見なければならないため、トスを上げにくくなる。相手のコンビを邪魔するために有効な狙いどころとなるのだが、及川相手には屁でもないようだった。
だけど、これならどうだろう。
ピ！笛の音が鳴る。
白布さんのトスが五色の目の前に止まったと思ったら、後ろから来た牛若に決められる。所謂バックアタック。とはちょっと違うんだけどね。
「なんか、白鳥沢前と違くね？」
「ああうん、なんか情報屋の黒狐？て奴が入れ知恵してるらしい」
「誰？」
「A」
「チッ、あいつ裏切りやがったか」
「や？うちに来たのも作戦のうちだとか。あいつ飛び抜けて頭良いのに白鳥沢行かないの謎だったもん。モヤモヤ晴れたわ」
「お前はなんでそんなにも冷静なんだ」
私頭良いんだ。
ていうか私のせいでまた裏切ったことになってる。最悪。くにみんに嫌われたくない。
「皆の信用を取り戻す！！」
「無理だと思うぞ」
「うるさい黙れ社会不適合者」
「辛辣」
続く
お気に入り登録で更新チェックしよう!
最終更新日から一ヶ月以上経過しています
作品の状態報告にご協力下さい
更新停止している| 完結している
←じゅうろく
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 32人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ハイキュー」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
あまね(プロフ) - みてまふ (7月29日 21時) (
レス) @page17 id: 2b125e9969 (このIDを非表示/違反報告)
クローバー - 最近白鳥沢が好きなので、タイトルで飛びつきました(笑)内容もすごく面白いので続きが気になります！頑張ってください！更新待ってます！ (2022年4月30日 13時) (レス) @page7 id: 2ea8f80fde (このIDを非表示/違反報告)
菅-真央(プロフ) - 白鳥沢が一番好きなのでとても嬉しいです！これからも更新待ってます。頑張ってください🙇♀️ (2022年4月29日 14時) (レス) @page7 id: 6a77f9208a (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ゆきの | 作成日時：2022年4月29日 14時
