転生したから白鳥沢を勝たせたい【白鳥沢】

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ここは、どこだろう。
目が覚めたら広い教室の中にいた。私が通っている高校はここまで広くないし、何より席の数がもっと少ない。ふと、自分の着ている服を見る。制服のようだった。紫のチェック柄スカートに、青色のシャツ、その上に羽織ったカーディガン、スカートの柄とお揃いの可愛いリボン。

これ、白鳥沢の制服じゃん。
本当に？コスプレではなくて？イタズラにしては手が凝りすぎていると思う。

「……A？」
教室の外から、ぼそっと声が聞こえた。低くも高くもなく、心地良いヴァイオリンの音色のような声。どこかで聞いたことがある気がする。思わず顔を上げると、色素の薄い髪と特徴的なぱっつん前髪が目に入る。

「白布……さん」
なんだこの可愛い人！は？まじで白布さん？いやまあこの顔面でアシメ前髪の人なんて白布さん以外にいないけどっ！けど！この可愛さは反則すぎる！！！

「さん？お前大丈夫か？こんなところで道草食ってないでさっさと部活行かねぇと遅れるぞ」
どうやらこの世界の私は白布さんのことを呼び捨てにしているらしい。なんと痴がましい。現実世界でも同い年ではあるけれど、尊敬しているためとてもじゃないが呼び捨てなんて図々しいことはできない。

「白布、いま放課後？」
「うん」
「部活かー。部室どこだっけ。着替えなきゃ」
「部室は外だけど、マネージャーのロッカーは1階会議室。忘れた？」
「あはは、ごめん冗談だよ」

う、不自然じゃないかな。顔引き攣ってると思うんだけど。これから部活って、牛若とか天童さんとか……愛しの五色もいるってこと？？？それはやばい。私の心臓が分散する。

「あっそう。じゃあ先行ってる」
「うん！いってらっしゃい！」

相変わらず冷たいな白布さん！好き！そんなところが好きです！

おっと、部活に遅れてしまう。今にも飛び出してしまいそうな心臓を両手で押さえて、机の上に置いてあるジャージを持ち出した。

五色のキレキレストレートがはやく見たい。

さん→←いち

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