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19 Aside ページ19

桃「阿部ちゃん!帰ろー!」



例の事件に頭を悩ませていれば、頭上から元気な声がする




緑「んー…」


桃「帰らないの?」




俺と佐久間は同棲している



出勤する場所も同じで帰る場所も同じだから



通勤退勤を共にすることが多い




まあ、俺が家だと仕事できない性格だから



最近は佐久間が先に帰ることが多い



緑「うん、ごめん。今日も残るよ」


桃「そっ…か!じゃあ、先に帰って待ってるね!」


緑「うん!」




とぼとぼと出ていく佐久間の背中を見送り、


俺はとある資料を引き出しから出した




緑「やっぱり…似てる…」



数十年前の事件の報告書を、

先日ふっかに頼み持ってきてもらったのだ




そこに書かれている内容は

今まさに俺たちが追っている事件と瓜二つなのだ



首を切られて死んでいるのも


顔だけ綺麗に拭かれているのも





俺が幼い時の事件で、特に気にしていなかったが

ネットで流れてきていたのを見て、

無性に気になってしまったのだ



その事件は既に、

旦那の行き過ぎたDVとして処理されており、

犯人も捕まっている




ただこの事件にはいくつか引っかかる所があった





1つ目は、

この事件の報告書が、

特定の人物でないと入れない倉庫にあったこと



ふっかのツテが無かったら手に入れられなかった…



2つ目は、

犯行に使われた包丁に犯人の指紋が検出されなかったこと


拭き取られたような後があったため

犯人が証拠隠滅したと処理されていたが

DVの行き過ぎということは、予期せぬ殺人だった可能性が高い

そんな状況で冷静に指紋を吹こうとするだろうか…



そして、



3つ目は、




2人の子どもが未だに発見されておらず行方不明のままということ



当時、

近所の人も子どもの声は聞いたことがあるが、

顔を見たことがある人が1人もおらず、

虐待されており、

家から出して貰えなかったのではと処理されていた


当時子どもの名前が特別に公開されたが見つからなかった



桃「あーべちゃん!」


もう少し読み込もうと姿勢を変えた所で

帰ったはずの佐久間の声が聞こえた


俺は慌てて資料を引き出しに閉まった

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作者名:しろまる | 作成日時:2022年4月29日 23時

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