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「アイドルにならないか?」

『は?』

気づけば事務所に作詞作曲家として入社して1年

この1年で色々なSMのアイドル達に曲を提供してきた。

自分が作った歌がテレビで流れてるのは気持ちがいい

これでいいって思ってた

「だから作詞作曲家としてだけじゃなくてアイドルとして練習生やらないか?お前ならルックスもいいし歌もダンスもそれなりじゃないか」

社長はいたって真剣に、しかも何か?とでも言いたげな顔だ

「今デビューを準備しているグループがある。そのメンバーにお前を入れたい」

『実力ないのにですか?』

「お前の実力はオーディションの時知ってる」

ああ、オーディションの時に作詞作曲家として応募したのにダンスや歌もやらされたんだった

『…考えさせてください』

この威圧感の中無理と即答できる訳ないじゃないか

せめてもの時間稼ぎ

「そうか。いい返事を待っているぞ」

肩を叩かれる

「お前はうちのエースだ。初の日本人だからな」

ふわっと笑うその中にはきっと「失敗は許されない」そんな意味も含まれてるんだろう

『ありがとうございます…』

ならこういうしかないじゃないか

俺にはここしかないのだから

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作者名:ミヅキ | 作成日時:2018年1月30日 17時

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