天国か地獄か《NCT》 (ページ1)

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01 ヨンホページ1

長い髪の毛をひとつにまとめて煙草を吸いながらパソコンをのめり込むように見ているこの子は

NCTの裏の司令塔と言われている。

キム・A。

「A」

『あ、ヨンホさん』

煙草を咥えながら器用に話す。

「ここ禁煙にしようかな」

『それだけは勘弁』

「煙が凄いなぁ」

『電子にするから許して！煙草がないと生きていけない！！！！』

パソコンをカチカチと操作し、電子タバコの通販ページを開き即購入を押したA。

相変わらずこの子は変わっていると思う。

煙草を奪い、代わりにキャンディーを口に入れると『甘っ』と顔をしかめる。

「徹夜？」

『徹夜』

「次はなんの観察？」

『人間観察』

いくつものモニターに映し出されるのはここ拡張都市の一体の防犯カメラ映像。

下手に動く者がいるものなら排除される。

Aの指示の元に。

『今日テヨンさんは？』

「見回り」

『ああ、それでもヨンホさんがここにいるのね』

テヨンはAの監視のために必ず誰かを見張りにつけている。

Aを監視する理由はただ1つ。

何をしでかすか分からないから。

Aは頭が回る。

頭が回るからこそ何を考えてるか分からない。

『ここにもカメラがあるのに監視が必要な意味がわからないのよね』

「それ、俺に言う？」

『テヨンさんに言っても笑ってはぐらかされるだけ』

「じゃあ、諦めな」

『ヨンホさんって優しそうに見えて冷たいよね』

大きな瞳が俺に向けられる。

100人中100人が美人と言う容姿のAがなぜこんな組織にいるのか。

知るものはNCTの幹部の1部。

『ヨンホさん』

「何？」

『私たちも見回りに行っちゃう？』