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大通りから一本道を横に入っていくと私たちの会社が建っている。
セキュリティが強化されている為に就業時間外と土日は社員証をかざさないと入口もオフィスも開かない仕組みになっている。
私は鞄から社員証を取り出し、入口に設置されているキーシステムにかざして社内に入っていく。
エレベーターで二階に上がり、奥の扉が仕事場である企画部の部屋だ。
その扉のキーシステムも解除して中に入ると、コーヒーメーカーをセットしている小山くんがいた。
小「あれ?Aちゃん。早かったね。まだ誰も出社してないよ」
コポコポとお湯が沸いていく音とコーヒーの香りが漂ってくる。
「小山くんも早いじゃん。コーヒー、セットしてくれてありがとね」
朝一のコーヒーは最初に出社した人がセットする決まりになっている。
……とは言っても私や祐子が準備することが多いんだけど。
入社したばかりの頃はどうやってコーヒー作るのかも分からなくて、よく薄いとか濃いとか言われてたっけ。
小「いいよ。パン食べながらコーヒー飲もうかと思ってたから。Aちゃんは朝ごはん食べてきた?良かったら一緒にどう?」
小山くんはパンの入っている紙袋をコーヒーメーカーの脇から取り出した。
「私は少し食べてきたから大丈夫だよ。そのパン屋さん、会社の近くのだよね?」
紙袋に書かれている名前を見てこの辺では美味しいと評判のお店だった。
小「そうそう!前から気になってて、今朝時間あるし寄ってみたんだ」
「いいな〜私も今度買いに行こうかな」
小「それなら一緒に行こうよ」
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作者名:ユズキ | 作成日時:2015年2月28日 0時