真剣SUNSHINE 【 tk × in 】 (ページ21)

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我に返ると、ベッドに横たわっていて

隣には友達が寝ていた。

「何でだよ…。」

溢れる涙を拭いながら、

友達を起こさない様にベッドから離れ、服をさっと羽織れば、

家を出た。

涙が止まらなかった。

昨日は髙木とあんなに幸せだったのに…。

「伊野尾…？」

ふらふらと歩いていると、誰かに呼び止められる。

振り返ると、ふにゃっと笑う薮が立っていた。

でも、俺の様子を見るなり、顔色が変わり

薮「どーしたんだよ！」

と俺を抱き寄せた。

そりゃあ驚くよな…。

服もちゃんと着れていないし、

首や胸元には、

押さえつけられた痕や、キスマークが

複数ついていた。

伊「やぶぅ、…。」

俺は薮の腕の中で子供のように泣きじゃくった。

薮は俺が落ち着くまで優しく背中をさすってくれ、

薮「俺ん家近いから、とりあえず来いよ。」

と、家まで連れていってくれた。

薮「これ飲みな。少しは落ち着くと思うよ。」

伊「ありがとう…。」

ソファーの前に座り込み、薮が入れてくれたココアを一口飲む。

伊「あったかい…。」

しばらく静かな時間が流れた。

持っていたマグカップをテーブルに置くと、

優しい口調で薮が口を開いた。

薮「何があった…？」

伊「ん、…」

俺は薮に話し始めた。

髙木とのこと、大ちゃんへのヤキモチ、

そして…友達の部屋であったことも、全部。

髙木とのこと…内緒にしておいた方が良かったのかもしれないけど、

一人で抱えるには重過ぎて、

耐えれそうになくて、

…全部打ち明けてしまった。

相手が薮だってこともあったんだと思う。

薮は頷きながら、俺の話をひたすら聞いてくれている。

伊「薮、…俺どうしたらいい…？」

薮「その友達とはもう会うなよ。そして…雄也には、事情を説明した方がいいんじゃないか。このままってわけにはいかないだろうし。」

伊「え、…言えねえよ。」

髙木の悲しむ顔を見たくないし、

…嫌われたくない。

薮「まあ、…知ったら雄也は荒れるだろうな。」

薮は困ったようにくしゃっと笑った。

荒れる…どころじゃないよ。

隠し通さないと…。

薮「今日はもう時間も遅いし、一人にするのも心配だから泊まってく？」

伊「いや、…光に怒られそうだからやめとくわ。」

ぎこちなくても笑顔で返す。

立ち上がるとまだふらっとする俺を

支える様に腰を抱いてくれる薮に

もたれる様にして家を出た。