真剣SUNSHINE 【 tk × in 】 (ページ15)

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今俺は高木の家にいる。

メンバーの中で俺ん家来んの、伊野尾くんが初めてかも…。

なんて言われたらさ、…緊張しちゃうじゃん。

どーしていいかわかんなくて突っ立てたら、

わあ、…

ふわっと後ろから包み込まれた。
柔らかい髙木の髪が俺の頬に触れる。

後ろからハグとか、もう。
さらにドキドキするだろ…

髙木に促され、ソファーに座り、

辺りを見回す。

…すげえ広いお洒落な部屋。

あまり物を置くのは好きじゃない、
って言ってたっけ。

家具などは必要最低限で、綺麗に片付けられている。

そして何より、…居心地が良い。

ほのかに高木の香水の匂いがした。

俺今、髙木の家に居るんだ…。

しかも、メンバーでは俺が一番最初。

どうしよう、

…めちゃくちゃ幸せだ。

髙「伊野尾くん、腹減ってない？
ハンバーグなら作れそうだけど…」

キッチンから声が届く。

そうだ…定食屋さんでご飯食べて以来、何も食べてなかった。

髙木と一緒に居るとドキドキして、そんなことすら忘れてしまう。

伊「めっちゃ腹減ったあ。ハンバーグいいね〜。」

俺は立ち上がって、髙木のそばに近寄った。

髙「よし！じゃあ夜はハンバーグにしよう。」

冷蔵庫から材料を出し、
子供の様な笑みを浮かべながら腕まくりをしている。

伊「俺も手伝うよ。」

と背後に立ったけど、

野菜を切ったり、材料を混ぜたり
手際良く進める髙木の後ろ姿に見惚れてしまう。

髙「じゃあ、これこねて。」

ひき肉の入ったボールを渡された。

伊「う、うん…。」

ただ材料をこねるだけなのに、上手くいかない。
緊張…してんのかな。

髙「ふはっ、へったくそ〜。顔まで飛んじゃってんじゃん。」

けたけたと笑う髙木の顔が近付き、
鼻に付いた肉を指で拭ってくれた。

んっ、…鼓動が速くなるのを感じる。

伊「今日は調子悪いんだよお。いつもはもっと上手く出来るし！」

この緊張を悟られないように、へらっと笑って答えた。

形を整え、焼き始めると、とても良い香りがして、

めっちゃ美味そう！とお互い嬉しそうに顔を見合わせた。

髙伊「いっただきまーす！！」

髙木が俺の食べる様子を伺ってる。

伊「ねえ、このハンバーグの形、変じゃない？」

髙「え、ハートの形だよ！」

歪な形のハンバーグを前に、ニコニコしながら髙木が答えた。

ばーか、。

この見た目で、こんな可愛いことをするんだもん、…ずるいよな。