真剣SUNSHINE 【 tk × in 】 (ページ13)

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-in

「… っん、」

心地良い潮風と波の音で目を覚ました。

　ん…、

　んん、…？

　ええっ、…？？

我に返ると、バッと起き上がり、
上にかけてくれていた髙木のジャケットがはらっと下に落ちた。

髙「やっと起きた。」

海をバックに、にっこりと微笑む高木の顔が近づいてきて、

髙「大丈夫？」

と、心配そうに覗き込んでいる。

俺は気を失っていたらしい。

そう、初めて野外で髙木と…。

ものすごく恥ずかしくて、でもめちゃくちゃ気持ち良くて、

髙木の激しさで絶頂を迎えるのと同時に、俺の意識は遠のいていったのだった。

伊「髙木…、」

俺は座ったまま、高木にぎゅっと抱きついた。

辺りはすっかり暗くなっていて、

何故だかわからないけど、切なくて、

しばらく抱きついたまま離れられなかった。

髙木は何も言わずそんな俺の頭を優しく撫でてくれている。

好きだよ…

髙木への想いが溢れていた。

そんな俺の気持ちを知ってか知らずか、

髙木は俺の頬にキスをした。

伊「バカ…。」

顔が熱くなった。
照れ隠しで呟いたら、高木はヘラっと笑っている。

もう、ずるいよ…。

このままずっと抱き合っていたかったけど、…

俺は先に立ち上がり、脚についた砂を払った。

髙「帰る？」

髙木も遅れて立ち上がり、少し寂しそうな表情を浮かべた。

気を許せばまた抱きついてしまいそうだったけど、俺はうなずいて車へと向かった。

高木は横に並んで歩いている。

お互い口数は少なかったけど、しっかりと手を握っていた。

きっと思いは一緒だよね。

車に乗り込むと、どっちからともなくキスをした。

求め合う様に抱き合って、何度も何度も唇を重ねる。

髙「今夜は俺ん家来ない…？」

まだ少し呼吸を乱したまま髙木から発せられた言葉に、
俺は満面の笑みで答えた。

伊「うん！行く！」

少し冷たい潮風を浴びながら、車は走り出した。

今夜も髙木と一緒にいられる…。

このまま離れるのはすごく寂しかった。
でも俺はこういう時、誘うのがとても苦手で…。

だから、さらっと誘える髙木が羨ましいし、
今は本当にありがたかった。

運転する横顔を眺めながら、幸せな気持ちで溢れていた。

そう簡単には付き合える関係でないのはわかっている。

でも、

…少しでも長く一緒にいられます様に。

そう願わずにはいられなかった。