episode16 ページ17
あの日から、学校にふたりで登下校するようになった。朝練がある日は一緒に行かないけれど、その他の日は一緒に行くし、彼の部活が終わるまで図書室で勉強をして待つ。
インターホンが鳴り響き、急いで玄関に向かった。ドアを開ければ見慣れた彼の顔が在る。私は少しだけ待ってて、と言って荷物を取りに行った。
彼の元へ行けば彼はにこりと微笑んで私の指と彼の指を絡ませる。
嬉しそうな顔を浮かべ手を前後にふる。まるで幼い子が手を繋いでいるみたいに。不思議な感覚になって手を握り返すとまた少しだけ彼が私の手を握った。
「女の子と一緒にいたら嫌なんか?」
「……」
あの日から嬉しそうに聞いてくる。
「うるさい」
そう言うと彼は抱きしめる。
彼の背中に腕を回す。
「愛しとるから」
「恥ずかしい」
何度も繰り返されるその言葉は私の耳に響く。心臓がうるさくなっていって顔に熱が集まる。朝早いため人はいなくて誰が見てる訳でもないのにすごく恥ずかしかった。
ただそのくらいが居心地がいいのか彼に惚れていく。愛してやまなくなって、誰よりも信じられるようになっていく。
彼の胸に顔を埋めると彼は私の頭を優しく撫でた。
もう少し、もう少しだけでいいから。
このままで居させて
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18↑ - 感情移入しやすくとても読みやすかったです。これからも無理せずがんばってください! (2018年12月20日 9時) (レス) id: 42ad75da4b (このIDを非表示/違反報告)
ブルーアップル(プロフ) - とても面白かったです!!!これからも頑張ってください! (2018年11月24日 11時) (レス) id: 7c572d1d53 (このIDを非表示/違反報告)
萌々子(プロフ) - 6169713mさん» ありがとうございます!!! (2018年9月24日 21時) (レス) id: 7e27c0b7c2 (このIDを非表示/違反報告)
6169713m(プロフ) - めっっっちゃおもしろいです……! (2018年9月23日 21時) (レス) id: d2af60c2d4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:穀海* | 作成日時:2018年9月20日 22時