その顔、大嫌い【宮侑】

しかめっ面 ページ6

朝起きると白いカーテンから日が差している。久々にこっちで寝た。いつも侑の部屋で寝ているから。変な感じ。自分の部屋は仕事でしか使わないからなあ、なんて思いながら外を眺めた。


侑に昨日悪いことした気がする。


「あ」


洗濯物何にもやってない。


急いで黒のキャミソールと灰色の短パンを履いて部屋を出た。音がしないから誰もいないのかと思って洗濯物を取り出し畳む。


「おはようくらい言えや」


「あ、おはよう。誰もいないかと思った」


そう答えると侑は目を細めて眉間にしわを寄せる。だからなんでそんな顔するんだよ。私はため息をつくと隣に侑腰を下ろしてタオルを取った。洗濯物を一緒に畳む。


「……」


「……」


沈黙が走る。なんか喋ろうよ、なんて思いながら私は洗濯物を重ねていく。


「なあ」


侑が声を出す。


「どうしたの」


「昨日はすまん」


私は思わず顎が外れるくらい驚いた。今まであまり謝られたことは無いし、素直に私が嫌な思いをしたということを認めたのは初めてだった。私は呆然と侑の顔を見ていた。いつの間にか手は止まっている。


「文句あんのか」


侑の耳が赤いのに気づく。


「ぶ、あはは、文句なんてないよ。」


思わず笑ってしまう。


「なんでそんな怒ってんのさ、私も昨日は荒ぶったから」


侑は下を向いている。顔を覗き込めば真っ赤に染まる。林檎みたいだった。侑の肩と肩を合わせると侑は不機嫌そうに顔を歪める。


「お前のこと心配してるだけやし」


「んふ、」


「なんでそんな笑っとるん」


「可愛いなあって思って」


「馬鹿にすんなや」


久しぶりだった。


こんな会話、何年ぶりかな。









好きだなあ

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