その顔、大嫌い【宮侑】

しかめっ面 ページ39

「はい？」


「嫉妬してるくせに貴方“も”ほかの男と仲良くするんですね」


にこりと微笑みを作る棟形さんに鳥肌が立つ。嫌な感じしかしない。遠くの方で侑が携帯をいじって待っているのが見える。服装がバレーの時のジャージだからきっと今から練習に一緒に行くのだろう。


「ふたりそろって本当に仲良しですね。浮気っていうおそろいですか？」


「私浮気した覚えないけど」


私がそう言うと棟形さんは『やだあ、怖い』と言って笑った。小さく舌打ちをして私は棟形さんを睨みつけた。浮気だなんて、するわけない。すると棟形は笑いをこらえて言う。


「んふ、いいですか、言っちゃいますからね。Aさんが浮気したあって」


「はい？」


棟形さんは嬉しそうな顔をしている。


「まあ、安心してください。彼の貰い手はまだ有り余るほどいますよ。顔もスタイルも良ければきっとこの先プロの選手としてお金が入ってくる。」


彼女はきっとお金のことしか興味がないのかお金を強調した。


「お金があればいろんなことが出来るんですよいい物件を捨てましたね」


お財布扱いされてムカついた。私は思わず棟形さんの腕を掴んだ。思い切り、強く。彼女は少し顔を歪めていた。


「あんた、侑をなんだと思ってんの……！！！」


「そりゃあお金のある男の人」


彼女はそう言って笑う。


「ふざけんな……！！」


彼女を押した。







「おま、何してん？！」

しかめっ面→←しかめっ面

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す