４２ ページ43
「なんで泣き止まないん、付き合ったやん」
「……」
ぐずぐずと鼻をすすって肩を上下に揺らすA。息が上がっていて過呼吸だった。頬は真っピンクで唇は少し青い。白い肌はいつもよりもしろくて血の気が引いている。
Aは泣きすぎるとこうなる。
「ちょいと治んとこ行かなあかん」
「……」
「離して」
「……」
Aはゆっくりと離れる。目をこすって涙を隠すふりをしていた。Aの柔らかい小さい手を握りしめる。Aも握り返した。
「いつもこうだとええんやけど」
「うん」
「なんや、その『うん』は。」
「うん」
だんだんこっちに寄ってくるA。
「別れるって聞いた時どう思ったん？」
「本当は、やだった」
「だから来たんか？」
「それもある、けど。京治が」
また京治君の話や。
「京治が宮侑が待ってるっていうから」
馬鹿らしい。
なんでみんな分かっちゃうんだろ。
俺らふたりは分からないのに。
「別れたかった？」
Aが俺の手を少しだけ強く握って問いかけてきた。
「おん」
そう返すとそっか、とそっけない返事が返ってくる。冗談で言ったつもりが間に受けたんやろか。Aは下を向いて顔を挙げなくなった。
「ごめん」
「嘘に決まっとるわ。好きすぎるから別れたかったんや、」
きっと彼女は理解できない。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 120人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
萌々子(プロフ) - 夢花 ゆめいろ星（スター）の夢花さん» ありがとうございます！！！！ (2018年3月22日 21時) (
レス) id: 7e27c0b7c2 (このIDを非表示/違反報告)
夢花 ゆめいろ星（スター）の夢花(プロフ) - 萌々子さん» えへへ( ´ ▽ ` )はい！めちゃめちゃ嬉しいです！！凄く感動しました！ (2018年3月22日 17時) (レス) id: f2643ccfd4 (このIDを非表示/違反報告)
萌々子(プロフ) - 夢花 ゆめいろ星（スター）の夢花さん» そんなふうに言っていただけて光栄です！より戻せて良かったですよね！( ´ω` ) (2018年3月16日 22時) (レス) id: 7e27c0b7c2 (このIDを非表示/違反報告)
夢花 ゆめいろ星（スター）の夢花(プロフ) - めちゃめちゃいい作品です！！！ガチめにめちゃ好き……より戻ってよかった！！！ (2018年3月16日 18時) (レス) id: f2643ccfd4 (このIDを非表示/違反報告)
萌々子(プロフ) - 言ノ葉さん» ほ、本当ですね！教えていただきありがとうございます！ (2018年2月7日 7時) (レス) id: 7e27c0b7c2 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：穀海* | 作成日時：2018年1月23日 7時
