嘘でできてる。【宮侑】

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白金さんとキス、か。まあしょうがないかな。どう考えても彼女のが上にいるし。私なんかくずに過ぎない。本当に嫌になる。この前のは何だったのだろう。


嘘つきだ。


嫌いだ。


「A、顔色悪いけど」


考えすぎも良くない。所詮自然消滅だったはずだ。今更こんなこと考えてこの前のことが嘘ってなんでわからなかったんだろう。自分は調子に乗るとこがあるのか。それだけで話は済むのか。


結局私は何も出来てないじゃないか。


「大丈夫です。」


かおりさんの言葉に返答する。かおりさんはそう？と首をかしげて試合を見る。私も後に手を組み試合を見る。


なんで、好きになったんだっけ。


まずそこからだ。なんで付き合ったんだっけ。彼は元々女子が嫌いだった。なのに、今じゃ浮気と代わりないことをしている。白金さんに騙された訳でもないだろうし。


侑、変わったのかな。


昔は女子の告白とかぼろくそ言った挙句女子のこと毛嫌いして話しかけても無視してた。なのに、なんで知り合ったんだっけ。


「なんでだっけ」


一人でつぶやいた。


「……A？」


かおりさんが心配そうに私の顔を伺う。


「あ、すみません」


そう答えてまた考える。








思い出そう。









『話しかけないで』









最初の頃も今と変わらなかったっけ。


「A、そろそろドリンク作りに行こう」


「はい。」


かおりさんについて行った。

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