嘘でできてる。【宮侑】

２０ ページ21

「侑の告白本気やって、信じないんか？」


私は小さく頷いた。水道の横の陽向。少し寒いけれど日が当たるとぽかぽかとする。治が隣で腰掛けていた。治にとったら私達のことなんてすごくどうでもいい、なんて思ってしまうけれど案外考えてくれてるもので。


「裏切られるだけだし。」


そう返すだけで少し顔を歪める。


「侑は愛世さんと付き合ってない。愛世さんから一方的に愛してるだけや。あの行動とか言動なんかは北さんだって手がつけられんもん。」


「……知らない。侑のこと嫌いだし」


私がそう言うと治は私の頭をなでる。


「もう１回だけ、信じてみたらどうなんよ。俺その現場みてないから知らんけど。侑は多分愛世さんのこと嫌いやで」


「……そう。アドバイスありがとう」


立ち上がる。


「あ、ちょいまち」


治がちょいちょい、と手招きをする。治の方に近づくと治が耳元で言った。









「好きや。モテ期来たな」









それは突然の告白。

２１→←１９

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す