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『Aちゃん、振り向かせたい?』
突然の蘭花からのメール。俺は素直に『おう』と返事を返した。蘭花はにしし、と言った顔文字を送ってきた。すると蘭花は言う。
『ならさぁ、嫉妬させようよ!Aちゃんすぐ妬くからさ!』
妬かせてどうなる
『えー…』
俺はそう返事を返す。
『私と仮で付き合おう!』
簡単に送られてきたメール。違和感を持った。けれど、少しでもこちらに振り向かせることができるなら。俺はそうしたい。
『本当に、振り向いてくれんのか?』
俺はそう送った。
『あったりまえー!Aちゃん、絶対、貴大の事好きって気づくよ!』
ちょっとの好奇心。
『うーん。でもお前、それでいいの』
『貴大が困ってるなら、助けるよ!』
なんていい人だ、と思ってしまった。
『じゃあ、少しの間だけ』
こんなサイテーなことするつもりじゃなかったんだ。
俺は気づかなかったんだ。あとから大変なことになるって。後で後悔するって。
「はよ、及川」
「おはよーマッキー!何でそんな疲れてるのさ!」
及川は呑気そうに俺にそういった。
「まぁ色々あったわけだよ」
俺はため息をついた。昨日のことが気になって仕方がない。俺の初彼女は、(仮)とでも言っていいんじゃないかって言うくらいの彼女。遠くにいるし別に好きな人じゃない。
好きな人を振り向かせるために付きあった。最低だと起きて気づいた。寝ぼけてたのか了承してしまった過去の俺を殴り飛ばしたい。こんなことしてどうすんだよ。何も変わんねぇって。
わかってんだろーが。
「……合宿の時、」
及川が俯いて言った。
「A、秀里のこと殴ったんだよね」
「わかんねぇ。」
及川は顔を歪ませる。多分及川も半信半疑なんだろう。
「Aに謝ろうって思ってた。だけど、さ。」
及川の口を塞ごうと思った。もう分かってんだそんなこと。今も曖昧のままで。どうすりゃいいか分からない。Aが本当のこと言ってんのか分からない。
多分、及川は半信半疑でAのこと読める俺に聞いたんだろうけど。
俺全然知らない。
「ねぇマッキー。蘭花のこと覚えてる?」
ギクリと肩を揺らした。
「付き合ったんだって?」
及川は睨むように俺を見た。
「……。蘭花、あれ本気だよ」
「は?何言ってんだよ。Aを振り向かせるためって」
「なわけないじゃん。マッキー、本当に女ごころ分かんないんだね。」
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萌々子(プロフ) - 玉ねぎになりたいさん» 確かに自分で作ってても蘭花ちゃんは性格に難ありですよね…。面白くできたらいいなと思っています!ありがとうございます!楽しみにしてて下さい!頑張ります! (2017年8月29日 15時) (レス) id: 7e27c0b7c2 (このIDを非表示/違反報告)
玉ねぎになりたい(プロフ) - 蘭花さん性格悪すぎません?読んでて夢主ちゃん相当きてるだろうなと思いました。 ここからが面白くなるところですね、楽しみにしてます!!頑張って下さい! (2017年8月28日 22時) (携帯から) (レス) id: 9bc625a847 (このIDを非表示/違反報告)
萌々子(プロフ) - 絵里さん» 感謝感激ですよ!楽しみにしててください!頑張ります! (2017年8月7日 23時) (レス) id: 7e27c0b7c2 (このIDを非表示/違反報告)
絵里(プロフ) - 萌々子さん» 本当ですか?よかったです(o^^o)そんな、感謝だなんて!私が好きでやったことなのでお気になさらず。これからもこの作品楽しみにしてます!頑張って!! (2017年8月7日 23時) (レス) id: 70bd25ffca (このIDを非表示/違反報告)
萌々子(プロフ) - 絵里さん» ありがとうございます!!ボブでも構いませんよ!ましてや嬉しいです!本当にありがとうございます!感謝してもしきれません(●´ω`●) (2017年8月7日 21時) (レス) id: 7e27c0b7c2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:穀海* | 作成日時:2017年7月31日 16時