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Aside
「貴大、私ね秋紀と付き合ってる」
『知ってる』
「でもね、何か忘れてる」
『なんだろうな』
「大切なのにわからない」
『……。』
貴大は次第に黙り込む。私は下を向いたまま。涙をコンクリートに落とし続けていた。今考えていてもやもやしているその大切なものの招待を私は知りたくて仕方がなかった。魔法みたいなものはないのか。それで知れたら。
『やっぱ、俺の好きとお前の好きはちげぇな』
から笑いをした貴大。私の好きってどんな好きだろう。どれが好きでどれが嫌いかも分からなくなるほど混乱した。頭が狂いそうだった。
『すれ違いもなにもねぇな』
悲しそうに笑う。
『木葉は先に帰っちゃったんだろ?』
「うん」
『気をつけて帰れよ』
「うん」
貴大とばいばいを交わしてコンビニに走った。
「……修羅場…。」
何故か赤葦が喧嘩している。黒尾もいる。
「赤葦、帰ろう」
「待ってくださいAさん。」
赤葦は鼻血を出している。
「赤葦鼻血」
私はそう言った。黒尾が私を見ていう。「あ、裏切り者」って。私別に裏切ってないし。こっちからしたらお前が裏切ってんだよ。って感じ。だから私は睨みつける。赤葦は私があげたティッシュを鼻に詰めた。
「なんで喧嘩してんのさ」
私が問いかけると赤葦は答えた。
「さっきの女子高生に『こっちからしたら貴方達がウザイです』って言ったら思いっきり殴られて、」
「赤葦、どうしてほっとかないの」
「いや、続き聞いてください。そしたら黒尾さんが来て俺に話しかけて来たものだから『お宅の女子が梟谷の悪口言ってたんで注意しました』って言ったら俺の彼女なんだけどって何故か怒られました。」
赤葦って意外と、子供っぽいところあるんだなとおもったりする。黒尾は黒尾だ。なんで自分の彼女が他人を殴ったことに対して怒らないんだ。どうかと思うのは私だけなのか。ましてやコンビニの店員も怒らない。
「黒尾、アンタ何様なの」
「自分様様ですから無視した方がいいです」
「はぁ?自分様様なのはこいつだろ、五十嵐A。」
私を指さしそういった。イラついたもんだから胸ぐらをつかんででかい声で『はぁ?』と威嚇する。自分様様とか意味わかんねぇし。
「だってそうだろ。勝手に泣いて勝手に合宿出ていって。挙句の果てに人を殴る?わけわかんねぇよ。」
黒尾は呆れた顔をした。呆れたいのはこっちだ。まったく。
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萌々子(プロフ) - 玉ねぎになりたいさん» 確かに自分で作ってても蘭花ちゃんは性格に難ありですよね…。面白くできたらいいなと思っています!ありがとうございます!楽しみにしてて下さい!頑張ります! (2017年8月29日 15時) (レス) id: 7e27c0b7c2 (このIDを非表示/違反報告)
玉ねぎになりたい(プロフ) - 蘭花さん性格悪すぎません?読んでて夢主ちゃん相当きてるだろうなと思いました。 ここからが面白くなるところですね、楽しみにしてます!!頑張って下さい! (2017年8月28日 22時) (携帯から) (レス) id: 9bc625a847 (このIDを非表示/違反報告)
萌々子(プロフ) - 絵里さん» 感謝感激ですよ!楽しみにしててください!頑張ります! (2017年8月7日 23時) (レス) id: 7e27c0b7c2 (このIDを非表示/違反報告)
絵里(プロフ) - 萌々子さん» 本当ですか?よかったです(o^^o)そんな、感謝だなんて!私が好きでやったことなのでお気になさらず。これからもこの作品楽しみにしてます!頑張って!! (2017年8月7日 23時) (レス) id: 70bd25ffca (このIDを非表示/違反報告)
萌々子(プロフ) - 絵里さん» ありがとうございます!!ボブでも構いませんよ!ましてや嬉しいです!本当にありがとうございます!感謝してもしきれません(●´ω`●) (2017年8月7日 21時) (レス) id: 7e27c0b7c2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:穀海* | 作成日時:2017年7月31日 16時