6:前日だって ページ7
当日は一番楽しいものだ。だからと言って前日が楽しくない訳では無い。前日は2番目に楽しいと言っても過言ではない。前日は楽しみな気分で埋め尽くされる。
小学校の遠足みたいに
ソワソワして家の中を歩き回っていればお母さんに『アホなの?』と言われる始末。私は携帯を開けたり閉じたり。私は明日の朝が楽しみだった。鞄に必要なものを詰めて。
大事なものを入れて。
携帯のバイブ音がなって私は携帯を開いた。
「衛輔……!!」
【明日は頑張ろうな】
ベッドに倒れ込んでゴロゴロと転がりまくった。恋する乙女みたいだ。って変なこと思いながら。9時28分。衛輔に返信をして。明日の集合は6時半。眠りについた。
鳥のなく声が聞こえた。私はカーテンを開けて目をこする。見事な青空がまだ狭い私の視界に写っていた。雲一つない空が気分を晴れさせた。私は階段を降りて昨日準備した合宿の荷物を抱える。
「いってきます」
朝ごはんは食べない派なんだ。小さな声で行ってきます、と言った。玄関のドアを開けて外に出る。私は歩き出すと見たことある背中を見つけた。木兎光太郎。
話しかけたら好きとか思われちゃう?いやそんな簡単に好きとかありえないから。でも、話しかけたら話しかけたで何か小っ恥ずかしい。
馬鹿げたことを考えながら。私は裏道を使うことにした。だが光太郎が私の足音に気づいたようで私の方へ振り返るとぶんぶんと手を振った。私はあたりを見回した。誰もいないから私に振っているのだと分かった。
「Aー!はよー!」
私はそう叫ぶ光太郎を近所迷惑、とも考えた。
光太郎は後ろへ下がって私の方へ走ってきた。
「……はよう」
「きょうはいいてんきだなー!」
「そうだね」
少ない返事にも光太郎は飽きずに私に話しかけた。
「初対面なのにこんなに早く仲良くなれるとはな!」
「仲良くはなってない」
「ひでぇ!」
少し話すくらいだ。
「おはよーう」
「おはようございます」
雪絵と、赤葦。赤葦はどうしてそんなに律儀なのだろうか。しっかりしているんだと思う。二人と合流した所で四人になって話をした。
「バス席どーするのさー」
「俺はAの隣!!」
「私は1人でいい」
「「え?」」
言葉がかぶる。一人でいいって言ってんだから気を使わなくても良い。だから私は1人がいい。こういう所もダメなのかもしれないけど。
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作者名:穀海* | 作成日時:2017年5月25日 7時