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21:甘え ページ22

Aside



目を開けたら光太郎が私の目の上で目を瞑ってた。寝てるのかどうか知らないけど私はなぜこの硬い光太郎の太ももで寝てるんだ。頬が熱いし、私は焦りながらすぐさまどいた。


甘えてる場合じゃない。光太郎は私の彼氏でもないし、それに私のこと嫌いなのに。迷惑かけちゃった。何してんだろ。なんて考えながら私は部屋をこっそりと抜け出そうとした。


が、立ち上がった瞬間腕を強く握られて。


「なぁ」


起きてたのか


「なんだい。部屋を出たいんだけど」


「……。さっきはごめん」









「嫌いとか言って、ごめん。」


私は目を見開いた。その悲しそうな木兎の顔が目に映る。しょぼくれた木兎ではなくて、真剣な表情で私を見つめていた。私は別に、と返してドアノブに手を掛けた。


木兎は言う。


「俺、お前のこと好きだし」


「なっ!」


体も顔も熱くなる。


「大好きだしぃ!」


ヤケクソになったようにそう言った。


「お前がやっくんのこと好きでも!俺のことAが嫌いでも、俺はAが好きなの!」


「馬鹿なの」


私は冷たくそう返した。

22:知ってた→←20:彼女はやはり鈍感で



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作者名:穀海* | 作成日時:2017年5月25日 7時

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