20:彼女はやはり鈍感で ページ21
「クッソ……。」
俺は熱くなる頬を隠そうと下を向いた。木葉達が『これだからリア充は』とため息をつく。リア充でも何でもないけど。何でそんなこと、ていうか正直嬉しいし?かおりは呆れてどっかいっちまうし。
Aはと言えば俺の膝に頭を乗せて寝てる。まぁそれの経緯はだな。
「はぁ!もう一回やるかぁ!って、あれ?A?」
眠そうなA。
「眠いの?」
かおりがAに問いかけた。Aは目を擦りながら黙ったまま怖い顔をしていた。眠くなると怖い顔するなんて、とんでもなく危ないやつだ。とか思った。
「寝ていいよ。」
と猿杙が言った。Aは『枕がないからやだね』と言って寝ようとしなかった。まぁ寝顔が見たい一同はガッカリするが、ここじゃとどまらない。
「まぁ、衛輔の膝枕ならいい」
寝ぼけたことを言い出した。
「A、まさか……!!!」
「木兎……。可哀想に……。」
「哀れむな!」
そんな会話をした。けれどイラついた俺はAを無理やり引き寄せて言ってやった。『俺の方が気持ちよく寝れる』って。今考えると恥ずかしい。Aは何故か寝ることにこだわっていて『やだね』と拒んだ。
「良いから!寝てみろよ!」
俺はそう言った。
「やだよ。……その。ちょっと、恥ずかしいし」
「そんなん関係ねぇよ!」
「勝手にしろリア充。俺は帰る」
小見は立ち上がる。尾長も立ち上がって出ていった。
Aは眠そうな目を擦り、『私も部屋に戻る』と言って出ていったのだが小見達と出ていかなかったもので、暗い廊下が何故か怖かったらしく、戻ってきた。
かおりがAの頭撫でて、Aが気持ちよさそうな顔でコクリコクリとしていると本当に寝てしまっていた。そのまま倒れ込むA、俺の太ももに。可愛らしいAの寝顔が見れたけど。
「リア充は辛いよな……!」
「だから俺にも渡せ!」
「なにが辛いんだよ!辛くねぇよ!」
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作者名:穀海* | 作成日時:2017年5月25日 7時