冷たい彼女を振り向かす方法【木兎光太郎】 (ページ20)

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１９：誤解ページ20

「やべぇ、やべぇよ……。
俺のせいで泣かしちまった……。」

「はぁ？！サイテーじゃんお前！」

「こら！」

木葉がとっさに口を抑える。木葉の持っていたトランプの手札が散らばるが残念ながら全部裏面。今更いいし別に。Aには嫌われたし。最悪だ。振り向かずも何もねぇじゃん。０からじゃねぇか。本当やんなる。

俺のこと嫌いとか。本当にやだ。俺はAのこと好きなのに。自業自得だよな。俺って馬鹿すぎてやだ。やっくんと抱き合ってたし、泣いてたしで。

俺の初恋これで終わりかよ。

そんなんやだ。

「木兎よー、お前って思ったことすぐ口に出すからよー。」

「わかってるよ、んなこと。」

「俺もよく傷ついてんだぜ。」

「知らねーよ！」

「ひど！」

ちょっと元気づいた気がした。すると、音を立ててドアが空いた音がした。俺が振り返るとAが立ってた。いつも通りの凛とした表情でズカズカと部屋にはいる。木葉はいう、『鬼みてぇ』と。最低か。

かおりが『お怒りで』と苦笑した。

「……」

ゴクリと息を呑む。これって俺が怒られるヤツ？

「……一緒にトランプしたい……」

「「「「へ？」」」」

「トランプしたい！！！」

いつもとは違う子供みたいなAに驚く。みんなだってそうだ。かおりがおいでおいで、手招きした。ちょっと嬉しそうな顔でかおりの隣に座ったA。

「なんだよ、可愛いじゃねぇか。怖いやつだと思ってたけどよぉ。木兎、お前見る目あるな」

「だろぉ？！」

コソコソと話す木葉。手札を配り終えてもう一度最初から。

「ぶふっ」

「な、なんで笑うんだよ……！！」

Aの表情がコロコロ変わって面白い。

「A顔真っ赤～照れてるの～？」

「う、うるさい！」

Aが全然違って誰かわかんなくなってきた。キャラどこいった。