冷たい彼女を振り向かす方法【木兎光太郎】 (ページ2)

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ある日の朝。俺は憂鬱になりながら石ころを蹴って学校へ登校していた。目の前に歩く綺麗な金髪の女性が目にうつる。耳にイヤホンを付けてる彼女はどうも大人びて見えた。一目惚れ、とか言うやつかもしれない。

同じ高校の制服をまとっている。こんな朝はやくに登校ってことは、運動部かなにかか？

すると彼女はいきなり音を立てて転んだ。

「いってて」

「大丈夫か？！」

俺がそう声をかけた時

彼女は目を丸くして俺を見た。するとふいっと横を向きスタスタと歩き出した。俺の言葉に答えてくれない彼女に不満を覚え、俺は声をかけた。

「なんだよ！無礼な奴め！」

「…初対面にそう言う奴も、無礼だね」

「んだとぉ？！」

彼女はすまし顔で俺を見る。彼女の凛とした顔つきが俺を吸い込んだ。一緒の学校なら一緒に行けばいい、そう思って俺は一緒にいこう、と声をかけようとした瞬間。

「部活、遅れるよ。私のせいにされちゃ困るからさっさと行きな」

「え、あ、うん」

それしか言葉が出なくて俺は口ごもると

「なんだい、それしか言えないのか？」

「お前って本当一言多いよな！！」

すると彼女は黙り込んでまた歩き出した。俺の前を歩く彼女を抜かしたくなって早足で歩く。と彼女はピタリと止まり俺の反対を歩き出した。

「お、おい！」

「なんだよ。」

「お前、反対だろ。」

「知ってるさ。でもあっちの道のがいいからね。」

「……うーん」

彼女の正確な返答と冷静な返答にどう返していいかわからず俺は横目で見ながら後ろを歩く彼女を見送った。あいつより先についてやる。そう思って俺は走り出した。すると前に歩く人影に目を奪われる。

「あ、木兎さん」

「よぉ！赤葦！」

「おはようございます」

律儀に頭を下げて俺に挨拶をしてきたこいつは赤葦京治。俺は赤葦と一緒に行くことにした。すると赤葦は俺をちらりと見て言った。

「あの、白福さんたちが言ってたんですが。

マネージャー、もう1人欲しいと」

「あ！じゃあ俺１人誘いたいやついる！」

「誰ですか？男とか言わないでくださいね」

「お前も女に飢えてんのな！！」

「一緒にしないでください。」

赤葦は冷たく返してからため息をつく。俺はさっきの奴を誘おうと思ってたけれど、名前も知らなければ学年もクラスも知らない。

正門前になると彼女が歩いてるではないか。負けた、とか思いながら俺は走って彼女へ向かった。