愛 7 ページ8
宮侑side(標準語)
自分で自分の腹を撃つAに驚いた。Aはそのまま倒れ込む。何故か嬉しそうな表情をしていた。銃声の音は消えて彼女のトクントクンという心臓の音が聞こえた。
彼女が何をしたかったのか意味不明だった。なぜなら彼女は自分で撃たせた。俺は本気で打つ気なんて無かったのに。俺彼女を抱き抱えてこの部屋を出た。
彼女の細い腹に包帯を巻く。血も止まって銃弾も抜けた。どれもこれも彼ら
「ありがとな、孤爪、赤葦。」
「別に。慣れてるし」
「自分でやったって……」
そう彼らのおかげ。何故か殺さなきゃいけない相手が助かって嬉しい。そう思えた。Aもそう思ってくれてるんだろうか。彼女の白く薄い肌を眺めた。
彼女に銃を向ければ彼女は最初殺してくださいとでもいう顔をしていた。それがやけにムカついた。なぜなら命を容易く捨てるから。
人を殺しているからと言って命を大事に思っていない訳では無い。だから彼女のようなまだ生きがいのある人間は死んではいけないのだ。
「宮、この子の事好きなんでしょ」
「なわけないやろ。敵やで?」
「分からないでしょ。」
「確かに。宮くんこの娘の事凄い大事そうに抱えてきたから」
俺は彼女の事を好きになってはいけない。彼女は俺の敵。だが今は分からないのだ。こっちは頭脳派な組織。Aの所属するのは肉体派。肉体派の中での唯一の頭脳派だ。だからあっちの組織がAを手放すわけやないんだけど。
黒尾によると彼女は1人で街をさまよっていたらしい。だから、組織から抜け出した。それも考えられる。
「宮くんAに恋しちゃダメだよ」
赤葦が俺にそう言った。そんなこと分かってる。だけど嫌いになれるかわからない。なぜなら彼女が好きだから。好きだから。殺す気なんて全くない。だけど、殺さなければ俺が上に殺られる。
「……でも恋したらどうすんの。宮のことだよ」
「宮のことってなんや!」
「多分上のヤツに殺られる」
俺らも知らない上のヤツ。そいつらはよく分からないが俺の上司なのだ。だがわからない。顔も見たことがなければ名前も聞いたことがない。ただ噂には聞いている。
このブラックな世界で最も強いとされる奴らだと。Aも、その中に入っていると噂が立てられていた。
「宮、Aのこと殺せないなら。
俺が殺すからね」
「それだけは譲れん。絶対にな。」
俺はそう言ってこの部屋から出ていった。
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萌々子(プロフ) - 埜餡さん» 出すことにしました!ありがとうございます! (2017年8月23日 19時) (レス) id: 7e27c0b7c2 (このIDを非表示/違反報告)
埜餡 - 萌々子さん» 続編出して欲しいです!! (2017年8月21日 0時) (レス) id: 25518f8173 (このIDを非表示/違反報告)
萌々子(プロフ) - 埜餡さん» 続編出すか出さないかで迷っています。明後日までには終わらせるか続編を出せればと思います!なのでもうしばらくお待ちしていただいてもよろしいでしょうか?本当にすみません。明後日までには更新いたします。 (2017年8月18日 16時) (レス) id: 7e27c0b7c2 (このIDを非表示/違反報告)
埜餡 - 萌々子さん» すいません、続き気になるんですけど、、 (2017年8月18日 14時) (レス) id: 25518f8173 (このIDを非表示/違反報告)
萌々子(プロフ) - 埜餡さん» ありがとうございます!そう言ってもらえると嬉しいです! (2017年7月15日 21時) (レス) id: 7e27c0b7c2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:穀海* | 作成日時:2017年4月3日 19時