愛 ２５ ページ25
「ち、違いますけど。」
「でも宮くんが言ってたんだよな。」
それは人違いじゃないのか。耳を疑う。名前をお互いに知らないのに、なぜ宮侑の婚約者だと分かるのだ。私は不思議に思う。
それに婚約者ではない。おかしい。彼と婚約なんて許されたもんじゃない。自滅しに行っているもんだ。前髪斜めさんがじーっと私のことを見つめた。
「まぁまぁの顔だな。宮くんの好きそうな顔だ」
「そりゃどうも」
失礼な彼に少しイラつきながらお礼を言う。いいよ、別に。と馬鹿みたいな私。宮侑に好かれればそれでいい。私は満足。だけど。
「どうせ、お前も殺されるよ」
前髪斜めさんはそう呟いた。知ってる、知っているけれど。私は唇を噛み締める。前髪斜めさんは私に向かって言い放った。
「今まで宮くんと付き合って生きたものはいない。お前も騙されてんだな」
「……知ってます」
それでもいい。
「付き合うメリット、ないだろ」
それでもいいよ。
だって、私は彼が好きだから。
「俺だったら嫌だな。お前、情報屋でもあんのに、あんな奴と付き合って」
「付き合ってません」
私は彼の目をしっかりと見てそういった。別に捨てられたっていい。慣れてるんだ。そんなこと。毎回毎回捨てられては使われて。ゴミ箱に捨てられて、運ばれて、リサイクルされて。そんな私はゴミの一部。
だから別に捨てられたっていい、なんてそんなことを承知で彼の隣にいたいと思う。でも、もしかしたらもしかしたら、本当に遊ばれてたら。嫌だ、そう思うのかもしれない。それに、少しでもその感情が私にあったら嫌だな、とも思う。
「ま、俺がどうこういって何が変わる訳では無いけどさ、宮くんはすぐに棄てるから気をつけなよ」
「分かってます。先程は失礼しました」
「うんや、別にへーき。じゃあな。」
「はい。」
私はおじぎをして彼を見送った。すると背後から肩を捕まれ、私は後ろの人を確認した。
「で？宮様と婚約ってなに？困るんだけど」
「誰、ですか？」
「私は宮様の秘書。」
彼女は名前を名乗らなかった。ただ私を睨みつけてきて宮様、そういった。彼女はどうして彼の秘書なのだろう。なんか変な気分だった。彼女の方が、宮侑と一緒にいる時間が長ってこと？私よりも。なんで、そう思ったのかも分からない。ただ憎かった。
「アンタは宮様と婚約するなんて無理。さっさとどきなさい」
そう言って彼女は去っていった。誰だったのだろうか。
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萌々子(プロフ) - 埜餡さん» 出すことにしました！ありがとうございます！ (2017年8月23日 19時) (
レス) id: 7e27c0b7c2 (このIDを非表示/違反報告)
埜餡 - 萌々子さん» 続編出して欲しいです！！ (2017年8月21日 0時) (レス) id: 25518f8173 (このIDを非表示/違反報告)
萌々子(プロフ) - 埜餡さん» 続編出すか出さないかで迷っています。明後日までには終わらせるか続編を出せればと思います！なのでもうしばらくお待ちしていただいてもよろしいでしょうか？本当にすみません。明後日までには更新いたします。 (2017年8月18日 16時) (レス) id: 7e27c0b7c2 (このIDを非表示/違反報告)
埜餡 - 萌々子さん» すいません、続き気になるんですけど、、 (2017年8月18日 14時) (レス) id: 25518f8173 (このIDを非表示/違反報告)
萌々子(プロフ) - 埜餡さん» ありがとうございます！そう言ってもらえると嬉しいです！ (2017年7月15日 21時) (レス) id: 7e27c0b7c2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：穀海* | 作成日時：2017年4月3日 19時
