愛 １０ ページ11
Aside
「っぁ」
目覚めると私は死んでいなかった。もう朝になっていて日差しが大きい窓から差し込む。起き上がろうとすればズキリと痛む体。服をめくれば包帯が巻いてあった。誰がやってくれたのか知らないが。
今は誰もいない。逃げられるチャンス。だが体が動かない。痛くてどうしようもない。今逃げようとすれば信用は薄れ逃げるチャンスが少なくなる。
だから私はそのままベッドに留まった。ドアのノックの音が聞こえて私は目を見張る。
「起きてはるの？」
「……」
喋らない私に宮侑は話しかけた。いくら好きな相手だからと言って油断してはいけないのだ。彼はしつこく私に話しかける。黙り込む私に宮侑は朝ごはんを置いた。
敵の作った料理は食べたくない。それに敵の作った料理を警戒せず食べるヤツなど木兎とかのバカがやる事だ。料理を食べたとこでそのまま眠り、殺されたっておかしくない。
しかし頭の良い彼らがやる手法なのだろうか。彼らはこんな単純な手を使うのだろうか。
彼が１度味見をすればわかる事なのだ。私は食器に手をつけない。
「せっかく作ったんやから」
湯気の上がるスープをスプーンで掬った宮侑。私は彼を睨む。すると彼は言った。
「何や毒でも入ってると思ってんのか？」
あぁそうだ。毒が入っていてもおかしくないんだ。この朝食。彼らにとって私を殺せば利益を得ることはわかっている。そして私を殺さねば彼らは殺され。生と死の狭間と言っても過言ではない。
「大丈夫や。何なら俺が食べてみるで？」
「じゃあ食べてみてください」
「まだ疑ってるんやな。良いで。食べたる」
そう言ってスープを口に運び、宮侑はスープを飲む。スープは安全なことが分かったがまだ油断はできない。もし彼には免疫のある薬だったら。
「考えすぎや。食べてみ」
そう言って私の口の前までスプーンを持ってきた。もういいや、そう思った。彼にはいつだって叶わないのかもしれない。
私はスープを口に含んだ。温かいものが口に広がる。程よい味が喉を通った。彼が作ったと疑うほどの美味しさだった。
「どうや、美味いやろ？」
私は小さく頷いた。無言で私はスープを飲み干す。宮侑は満更でもなさそうに、嬉しそうに笑っていた。私は彼を横目で見てその彼の嬉しそうな顔に見惚れていた。すると彼は真剣な表情で。
「そう言えば言うの忘れとったんやけどこっちに入らんか？」
彼がどんな目的でそういったのかは不明だった。
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萌々子(プロフ) - 埜餡さん» 出すことにしました！ありがとうございます！ (2017年8月23日 19時) (
レス) id: 7e27c0b7c2 (このIDを非表示/違反報告)
埜餡 - 萌々子さん» 続編出して欲しいです！！ (2017年8月21日 0時) (レス) id: 25518f8173 (このIDを非表示/違反報告)
萌々子(プロフ) - 埜餡さん» 続編出すか出さないかで迷っています。明後日までには終わらせるか続編を出せればと思います！なのでもうしばらくお待ちしていただいてもよろしいでしょうか？本当にすみません。明後日までには更新いたします。 (2017年8月18日 16時) (レス) id: 7e27c0b7c2 (このIDを非表示/違反報告)
埜餡 - 萌々子さん» すいません、続き気になるんですけど、、 (2017年8月18日 14時) (レス) id: 25518f8173 (このIDを非表示/違反報告)
萌々子(プロフ) - 埜餡さん» ありがとうございます！そう言ってもらえると嬉しいです！ (2017年7月15日 21時) (レス) id: 7e27c0b7c2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：穀海* | 作成日時：2017年4月3日 19時
