俺は姉が嫌いだ【赤葦京治】【川西太一】

嫌い ９ 赤葦side ページ9

川西さんの娘さんが入ってきた。

俺の嫌いな人。

すごく嫌だった。

京治くん！って言われて。

ムカついた。

名前で呼ばないでよって。

俺はあんたの弟でもなんでもない

赤の他人なのに。

別に悪い人じゃない。

だけど嫌い。

白福さんが連れてきた。

なんで来るんだよって。

しかも目元、腫れてる。

泣いた証拠。

なんで泣く必要がある。

弱いのか。

なら、尚更嫌だ。

俺は彼女の悪いところばかり見てしまう。

「偶然だね！」

ニコッと元気に笑った彼女はとても輝いていた。

少し木兎さんに似てるな。

木兎さんのがいいけど。

自己紹介して、彼女はすぐこの場に解けていった。

フレンドリーで、話しやすいからか。

俺とは正反対。

ドリンクの作り方を教える雀田さんと白福さん。

なんか仲良さそうで、とても楽しそうだ。

良かった。


あれ？

なにこれ。

俺、彼女のこと嫌いだし、別に今の感情はちょっとした、間違いだ。

「きゅうけーい！」

雀田さんの呼び掛けで全員ベンチ側へ小走りで向かう。

俺は歩いて行く。

ドリンクを渡している彼女は本当に活き活きしていた。

白福さんから貰ったドリンクは変わらない味。

「あかーし！元気ねぇーな！」

木兎さんは余計な心配をする。

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