俺は姉が嫌いだ【赤葦京治】【川西太一】

嫌い ７ 川西side ページ7

姉ちゃんが泣いた。

あの姉ちゃんが。

しかも泣かせたのは俺自身。

最悪だ。

泣かせたくなんてなかった。

ただの嫉妬。

俺の姉ちゃんが、他人の姉ちゃんになるなんて嫌だっただけ。

それも俺の知らない人。

『あのね、新しい弟がいるの義理だけど。』

頭の中でその言葉がリピートされた。

白布も、天童さんも、皆驚いていて。

今度梟谷の合宿があるから、

バレー部のマネージャーやって欲しかった。

だけど頼める状況じゃない。

「太一、お姉ちゃんはね太一が一番の弟だから。そういう事、言わないでよ絶対。」

姉ちゃんは昔から心配性で寂しがり屋。

かくれんぼをすればすぐ見つかってしまう、

理由は見つけられないと寂しいから、だそう。

「太一、愛されてるネェ」

天童さんの声がした。

「そうだな。」

牛島さんの声も。

すると、

「よーし！私！バレー部に入る！もしかしたら太一に会えるかもだから！」

立ち直りが早い姉とはいいものだ。

ていうか誘う必要なかった。

姉ちゃんとはテレパシーで繋がってるなど、

厨二病的なことを思ってしまう。

「早速入部希望してくる！あっ！光くーん！」

さすが姉ちゃん。

友達作るの早いな。

でも、

ちょっと嫉妬した俺。

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