おまけすんちょる3

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｢ ジス、ポップコーンとって｣


｢ もうバター醤油しかないよ｣







大学終わりに無理矢理連れてこられたここは
(どういう風の吹き回しか、ジス自ら誘ってきた)


私の第2の家、ホンジスのお城。






｢ なんでキャラメルないの｣


｢ 誰かさんが食べるからでしょ｣


｢ いいよそれで、貸して｣






本当、不思議で堪らない


1ヵ月後には何もかも全部お別れだというのに
平然と平気なフリをしていられるんだから。









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｢ なんかあった？｣






ポップコーンの方に手を伸ばした時、いきなり
ジスにその手を掴まれてしまった。


どう誤魔化そうか






｢ ん？｣


｢ なんかあったような顔してる｣


｢ そう？いつも通りだよ｣





掴まれた手を離してくれなくて、何かを探るような目で
じっと私を見てくるジス。これだけは言えないんだよ





｢ 話してくれないなら今日は帰さないよ｣


｢ なっやめなさい！！｣





私以外の女の子ならキュンっていうか、ブフォってなる台詞

どうぞ私を帰さないで！となるような台詞






｢ 変な事考えてる？｣


｢ 馬鹿！考えてない！｣


｢ 話すまでずっと観たい映画に付き合ってもらう｣


｢ 映画なら今観てるじゃん｣





私が映画観たいって言ったんじゃないし。

まあ前から観たいなって思ってたやつだけど







｢ 英語の映画だよ。5作品くらい観たいのあってさ｣


｢ … ｣


｢ A英語得意だしさ、いいよね？｣







英語が全くわからないわけじゃない。
英語の先生になる夢もちゃんとあった


叶うことはないだろうけど。







｢ 感想文とか…その｣


｢ ちゃんと書いてもらうよ｣


｢ まだ健在だったんだ｣






この男は、ひたすら洋画を鑑賞させるうえに
感想文まで書かせられる。それも全部英語で

そしてそれに対する文句が酷いのだ






｢ どうする？｣


｢ ...観るよ｣






だからって話せない。

それにもうこんな事も二度と出来ないから
ジスと何回観ただろうか、訳わかんない洋画







｢ うん…は？｣


｢ 何から観るの？｣


｢ 観んの？え、観るの？｣


｢ 悩みないから話すことないんだもん。
だから観る選択肢しかないと思ったんだけど｣







ごめんね


やっぱりいつも通りでいたいみたい。









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