おやつの時間 (ページ1)

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４３．私の助っ人ドヨンさんページ1

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「おれね、くーちゃんのわるい部分が好きなの。」

わるい顔をしながら言った彼は私の太腿を撫でて眉毛を一度動かした。私はこの顔がすごく好きで、意地が負けそうになってしまう。つまり、真っ当弱いのだ。

「やーやーやー！お前らなにしてんの！」

少し耳を赤くした眼鏡姿のドヨンくんが私の太腿にあったジェヒョンくんの手を叩いては私の腕を引っ張ってプンスカと早口でなんだか色々と言いながら少し早歩きで自分の部屋へと連れて行く。

「なに急にどしたの」
「距離感とか考えろって何回言わせるわけ？」

私をベッドに座るように指示すれば目線を合わせるように目の前に座る彼はまるで子供に優しく叱るように暖かい手を重ねて怒ってくれるのだ。

「まさか俺に怒られたくてわざとしてんの？」
「そうだって言ったらどうする？」
「あーもうそういうのやめろ」

頭をクシャクシャと掻くその姿や仕草は私が原因だということに愛おしくなって優しく彼の頭を撫でる。感情が入っていたのか少し涙目な瞳が胸をざわつかせた。

「彼氏と別れて寂しいのかもしんないけどさ…. 」

ボソボソと呟く声が彼の本性を表して優しさに満ちていた。確かに以前に付き合っていた彼氏とは別れたがその記憶が自分の中であるからこそ今があると思っている。あの人を想いながら書いた曲も切ない感性も初めて得た穏やかであたたかい気持ちも嘘偽りのない表情も全て、幸せではあった。でもその分、このような気持ちや現状に思っていたよりも自分がすごく不慣れだった。

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「一杯する？」

考え詰めたような表情をしている彼女を見てこんなこと言うべきではなかったと後悔した。待ってて、と頭を撫でれば部屋を出てリビングに向かい冷蔵庫の中にある酒とグラスを適当に持って戻った。

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