40 ページ46
.
調子は良くなるどころか悪くなる一方で、ちーくんのことは本当に蓮くんやママ、パパに任せっきり。
「うぇっ………ぅう……」
吐き気と葛藤しながら、眠れる時に寝てを繰り返してたら、いつの間にかお昼。
なんとか歩くことができるようになって、みんなのいるリビングに足を進めたものの、お昼時でご飯を食べていたみんなとちーくんのミルクの匂いなどで吐き気が襲ってきて廊下でしゃがみこんだ。
「ふっ………ぅ……はぁ……」
なんとか耐えようと必死でいると、そんな私に気がついた蓮くん。
蓮「A!?…どした?吐く?」
コクリと頷くとすぐさまトイレに運んでくれて、込み上げてきたものを全て吐き出す。
冷汗もでてきて、力が抜け、支えてくれる蓮くんに全体重をかけて寄りかかる。
蓮「…千紘くんとってもいい子だよ。さっきミルクも飲んで、そろそろお昼寝かな」
ちーくんのこととかが気になってリビングに行こうとしてたことも全てお見通しだったようで、聞いてもないのに教えてくれた蓮くん。
蓮「俺らもお昼寝しよっか。」
すっかり脱力した私を軽々と持ち上げて寝室へ逆戻り。
色んなことが1人で出来ずに不安になって思わず涙がこぼれた。
「つらいっ………」
蓮「つらいよね。」
泣かないでとかではなく、私を包み込むように抱きしめながら気持ちに寄り添ってくれる彼。
そんな蓮くんになかなか入らない弱々しい精一杯の力で抱きついてたらいつの間にか眠っていた。
安心したのか少し長めに寝ることができたものの、赤ちゃんの泣き声で目が覚めた。
隣にいたはずの蓮くんはもう起きていたみたいで、いなくて、吐き気もマシになっていたからリビングへ向かった。
カチャリと静かにドアを開けると蓮くんが一生懸命ちーくんを横抱きにしてあやしている姿。自分の子どもが生まれたらきっとこうやってお世話をしてくれるんだろうなと思うと愛しくてたまらなかった。
千紘「ふぇー!!!!」
蓮「大丈夫、ママもうすぐ来るよー」
「…蓮くん」
蓮「A…大丈夫なの?」
「うん、寝れたからかな…少し落ち着いてる」
蓮「良かった。」
「ちーくん。おいで〜」
久しぶりに抱っこしたちーくんは前より少し重たくなっていて成長を感じた。
ソファに座って横抱きにしていると指しゃぶりを始めたちーくん。
蓮「眠いのかな」
「そうかも。」
少しするとそのまま眠ってしまった。
.
857人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
na_chu(プロフ) - ヒロさん» コメントありがとうございます!他にも色々な接点を作っていくつもりなのでこれからも楽しんで頂けると嬉しいです!よろしくお願い致します! (9月13日 22時) (レス) @page33 id: 655d574789 (このIDを非表示/違反報告)
ヒロ(プロフ) - 何時も楽しく読ませてもらっています。阿部ちゃんの奥さんにはビックリしました。 (9月13日 21時) (レス) @page33 id: 27e2541af5 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:na_chu | 作成日時:2023年9月9日 13時