Episode.4 カモミール × Y.Y ページ10
〜彼side〜
どうして俺はこうやってすぐ
思ってもないことを口にしてまうんやろう。
これやから俺らの関係は
……いつまでも、変わらんままなんやーーーーーーー
夏の気配も近づく春の日…
横山「やからアホやって言っとんねん」
A「は？あんたにはいわれたくないし！」
横山「あんたって言うなアホ！」
A「じゃあアホっていうなアホ！」
横山「Aもアホ言うとるやんけ！」
ホンマに子どもやなぁ……って、つくづく思うけど、
俺らの生活はこんなケンカなしでは成り立たへん。
A「アホとか言うけどさ、1点しか変わらないじゃん！」
横山「1点ちゃうし、2点やし！2点もちゃいます〜！」
1点やら2点やら、何の話をしとるかと言いますと……
A「はぁ…ほんとムカつく！古典では絶対勝つ！」
横山「何とでも言いなさい、歴史は俺の勝ちやから〜」
………はい、テストの点数のことでございます。
先週行われた定期テストが返ってきまして、
ほんで点数の競い合いをしとったわけです。
俺が38点、Aが36点。
……まぁ、赤点ギリギリの低レベルな争いやな(笑)
横山「アホやな〜ほんま、いつもそうやんけ」
A「うっさい！」
…流石に言い過ぎやと思うやろ？
でもな、アホで強がりな俺やから
…Aの前やと、こない冷たいことしか言えへんねん。
横山「勉強教えたろか〜36点！(笑)」
A「いいわアホ！信ちゃんに教えてもらうからっ！」
拗ねたAは、いつも決まってあいつの所に行く。
そんな何十回と繰り返されとるAの行動には、さすがにもう慣れた。
慣れた、けど……
…その度に、チクチクと胸が痛むんや。
A「信ちゃん！裕のアホがいじめる〜泣」
村上「なんやお前らまたかぁ？ええ加減にせぇや(笑)」
横山「やってAが36点って…笑」
村上「お前やって38点やろが。たった2点しか変わらんやんけ！なぁ、Aちゃん？」
A「そうだそうだ！裕のアホ〜！」
村上「もっと言ったれ(笑)」
A「アホアホアホ〜！笑」
村上「その調子や(笑)」
ほら、ヒナはいつもこうやってAの味方すんねんから。
ホンマやめてほしいよなぁ。
俺だけ仲間外れやんけ。
横山「もう、なんやねん2人して〜！笑」
…こうやって、2人の前では笑ってみせるけど、
心の中では決して笑ってなくて
チクチクした痛みが募るばかりなんや。
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作者名：mi | 作成日時：2021年1月25日 18時
