Episode.2 アイレン × R.M ページ4
〜彼side〜
A「おかわりお願いしまーす！」
白ワインを浴びるように口へ運んどった彼女は、
ほんの30分でほろ酔い気味。
A「はー美味しい！」
丸山「Aちゃん、飲みすぎちゃう？」
A「ええの！せっかく丸ちゃん帰ってきてくれたんやで？
ここは飲まんでどうすんのっ！」
丸山「せやけどぉ…」
A「大丈夫やって！ほらぁ、丸ちゃんも飲むっ！」
そう言って、僕の空いたグラスに白ワインを注ぐ。
……いや、ビールとちゃうんやからもっと上品に飲めんもんなん？笑
まぁ、この豪快さがAちゃんらしいねんけど。
久々に会った彼女は、あの頃より大人になっとった。
けど、性格はやっぱりあの頃と変わってなくて。
丸山「もう、しゃあないなぁ」
A「アハハ♪」
そう無邪気に笑って再びワインを流し込む彼女は
…僕の気持ちなんて、これっぽっちも気づいてないんや。
5年前、僕は生まれ育った京都の街を出て上京した。
“帰ってきたら、一緒にお酒飲みかわそな”
そう、約束したあの日。
5年間、ずっと忘れてへんかったよ。
今日のこの日をどれだけ待ち望んどったか
……
それは、計り知れない。
ずっと好きだった
大好きだったAちゃんに
………帰ってきたら、告白しようと決めとったんになぁ。
丸山「てかAちゃん、大丈夫なん？男と2人っきりで会って、裕ちん怒ったりせぇへん？」
A「大丈夫、丸ちゃんやし！裕くんもそう言うよ」
丸山「ならええけどさ…」
この5年の間に、Aちゃんには彼氏が出来とった。
高校時代に仲の良かった、裕ちん。
もうすぐ………結婚するんやって。
………先、越されてしもたみたいや。
それから約3時間。
時間を忘れて飲んで喋って、いつの間にか時間は間もなく日付が変わるとこやった。
A「ごちそうさまでしたー」
フラフラとした足取りのAちゃんを支えながら店を出て、なんとか連れてきた公園のベンチ。
丸山「やから言ったやん、飲みすぎやって」
A「楽しけりゃええの！アハハ♪」
……Aちゃん、完全に出来上がっとるわ(苦笑)
丸山「Aちゃん、立てる？帰るで？」
A「うーん…帰…る……」
その瞬間、肩にズシッとした重みが走る。
丸山「え？」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：mi | 作成日時：2021年1月25日 18時
