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A「ありがとうございました、またお待ちしてます」
そんな彼女を横目に、フワフワした気持ちでカフェを出た。
……今日は、少し寄り道でもして帰ろうか。
と、いつもと違う道を歩く。
……彼女が、自分のことを覚えてくれていた。
嬉しかったはずやのに、
あんな反応しかできひんかった自分がほんまに嫌になる。
神山「あーもうなんやねん……」
ワシャワシャと髪をかき乱す。
………そんな時通りかかった1軒の花屋の店先に、見覚えのある薄紫色の小さな可愛らしい花が売られとった。
…これって……あのカフェの花壇にあった……
神山「………………」
しばらくその花を眺めとったとき、ふと横から聞こえた優しい声。
「何かお探しですか？」
神山「あ……」
顔をあげた先に居たのは、おそらくこの花屋の店員さんやろう。
神山「あ、いや、すごい見覚えのある花でしたので、つい……(笑)」
「そうですか。…ライラック……ですね」
神山「ライラック……」
「可愛らしい花ですよね。香りもよく、香水の原料などに使われたりもするんですよ」
神山「へぇ……」
ライラック…か…
神山「この花……ください」
思わず口にした、そんな言葉。
「…かしこまりました、ご用意しますね」
…彼女が育てていたからとか、
決してそういうわけではなくて。
何故かこの花に、惹かれてしもうたんや。
「ありがとうございました」
店をあとにした僕の気持ちは、不思議と華やかやった。
それは、この花のおかげなのか。
神山「……フフ」
思わず、笑ってしまった。
そして僕は、願うんや。
明日はまた、今日よりもっと進展していますようにと
…ライラックの花に、想いを込めて。
神山「好き…………です」
ライラックの花言葉
恋の始まり
Episode.2 アイレン × R.M→←Episode.1 ライラック × T.K
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作者名：mi | 作成日時：2021年1月25日 18時
