花言葉のブーケ (ページ17)

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Episode.5 サザンクロス × R.F ページ17

～貴方side～

赤、白、緑…とキラキラと街を彩るイルミネーションを背に、カップルが肩を寄せ合い愛を育むこの季節。

私は、街の片隅にあるカフェで一人、頬杖付きながらある人を待っている。

約束の時間をすぎてから既に30分。

空になったカップに3杯目のコーヒーを頼んだところだ。

…うん、待つのは慣れてるよ。

でもさ、
幸せオーラで溢れてる人達の中に

女の子一人をほったからしにしないでいただきたい。

貴方を待ってる時間が
どれだけドキドキして
ソワソワして
落ち着かないものなのか

……わからないよね？

だっていつも、貴方は待たせる側なんだから。

待ってるのはいつも私の方で……

……いい加減にしてよ。

窓の外に広がる景色を眺めながら待つこと更に15分、
とうとうやってきた遅刻者のあいつ。

カラコロカラン

いつもよりテンポ早く鳴り響いた入口の鐘の音で

彼が慌てている様子が想像できて、少し笑えた。

流星「ごめん！ほんとごめん！」

必死に頭を下げて謝る彼を見たら、

なんだか不思議と許しちゃうんだよなぁ。

A「大丈夫。いつものことだしね～」

流星「ごめんほんとに！お詫びにここのお代持つから！」

A「いいよ、そんなん」

流星「いやいや！それじゃ俺の気が済まないから！」

そう言って財布から5000円札を取り出し、テーブルに置いた。

………いやいや、明らかに多いだろ(笑)

コーヒー3杯しか飲んでないから(笑)

A「いや、これ多すぎだから(笑)」

流星「え？そうなの？」

A「まぁ、くれるならもらっとくけど(笑)」

流星「いやいやいやいや！」

…そんな彼の額には、こんな寒い季節にも関わらず汗が流れてる。

急いで走ってきてくれたってことだよね？

A「流星、汗かいてる」

私はテーブルに身を乗り出して、持っていたタオルで向かいに座る彼の額の汗を拭いた。

…はたから見たら、私たちはどんな風に見えてるのかな？

今日の日付も日付だし、
やっぱり恋人同士に見えるのかな？

けど…………

流星「ちょ、A！やめてって！(笑)
カップルだと思われるやん！Aそういうの嫌いやろ？」

………うん。

私たちは、決して恋人同士なんかじゃない。

お互い好き同士の

………ただの友達。

というのも、私だけが知ってることであって、

アホで天然で鈍感な流星のことだから

……きっと私の気持ちには、気づいない。