・ ページ15
A「……フラれちゃったぁ！(笑)…まぁ、こうなると思ってたけどね…(笑)」
横山「A……」
A「でも私、後悔はしてないよ！…むしろ、告白できてスッキリ？……って、感じ！(笑)」
…そうAは明るく笑っとるけど、無理しとるのバレバレやから。
わかるわ、そないことくらい。
俺をなめんといて。
横山「A、無理すんなや」
A「え……」
横山「辛いの隠しとるの、バレバレやか。
…泣いたらええねん、辛いなら、思いっ切り泣いたらええ。
………胸、貸したるで？」
俺がどれだけ、Aのことを見てきた思っとんの？
俺の前では………
俺の前だけでは、自分に嘘をつかなくてええんやってことを
わかってほしいから。
横山「誰も見てへん、大丈夫や」
A「裕………」
堪えとった想いをすべてはきだすかのように、
Aは俺の胸に体を預けた。
A「うぅ……グスっ。フラれ、ちゃったぁ……(泣) 信ちゃん……好き、だったよ……っ」
横山「……………」
少しでも落ち着けるように、俺はただ黙ってAの背中をさすった。
何でもいいからAの力になりたくて、
…俺はこうして、Aの恋を応援するしかなかったんかなぁと、今になって思う。
しばらくしてAが落ち着くと、俺はゆっくりと体を離した。
横山「……落ち着いた？」
A「うん………大丈夫」
ウサギみたいに真っ赤になったAの目を見とると
…昨日、あんなことを言ってもうた自分に呆れた。
横山「あの、A。昨日は……「ごめん！」」
俺の言葉を遮るように重なった、Aの声。
横山「え……」
A「裕。昨日はごめん……言いすぎた」
…なんで、Aが謝っとんの？
悪いのは、全部俺やから。
全部、素直になれへんかった俺のせい……
横山「謝るのは俺の方やから。…ホンマ、ごめん」
俺は、Aの恋を応援してなきゃあかんかってん。
今回も……そして、これからも。
A「じゃあ……仲直りね(笑)」
横山「……おん(笑)」
A「このまま裕と仲直りできなかったらどうしよう……って、思ってたから良かった…(笑)」
そう言って、Aは笑う。
その笑顔を見て思ったんや。
“こんな関係も、悪くないかもしらん”
って………。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：mi | 作成日時：2021年1月25日 18時
