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それから1週間後。
A「もう、裕のアホ！」
横山「Aのアホ〜！」
今日俺らは……
99回目のケンカを迎えた。
村上「やからお前らいい加減にせぇや(笑)」
こんなケンカの意味を全く知らんヒナは、相変わらず俺らの仲介役にまわる。
横山「もうヒナ〜邪魔すんなや！」
村上「割って入らんといつまでもケンカ終わらんやろが」
A「信ちゃんに八つ当たりすんな裕のアホ」
横山「はぁ！？なんやねん！」
村上「ほら、やめろって！笑」
一分一秒が、俺を焦らせる。
ホンマは、こないことしとる場合ちゃうのに。
言わなあかんことあるのに。
言葉にできなくて
時間だけが、過ぎてく一方なんや……
A「あー！今日もたくさん話せたぁ！」
放課後、並んで歩く帰り道でAが大きく伸びをした。
A「とうとうあと1回なんだね、100回まで」
横山「せやなぁ…」
A「本当に、ここまで協力してくれた裕に感謝だよ」
横山「…………」
言わなあかんことがあるってことは、
とうの昔にわかっとんねん。
タイムリミットはあと1回。
あと1回…なんやけど………
横山「なぁ、A」
A「ん？どしたの？」
恋をしとるその瞳を見てまうと、やっぱりどうしても言えなくなってまうんや。
横山「あ、いや……」
そう言葉を濁す俺を見て、呆れたように笑うA。
A「なんだよも〜笑」
そんな何気ない表情がたまらなく可愛くて
……やっぱり、このままやアカンと思った。
横山「…あのさ」
A「うん」
横山「……ホンマに、ヒナに告白するん？」
こないことを聞いて、俺は何が言いたいんやろう？
…でも、しっかり確かめておきたかったんや。
A「うん……する…よ？決めちゃったんだもん、するって。
協力してくれた裕のことも裏切るわけにいかないしさ」
横山「そ……っか…」
…なんとかこの告白を、食い止めなあかんねん。
そのためには、俺が………
横山「……………」
A「ちょっと裕？」
横山「A………ホンマのホンマに、ヒナに告白せなあかんの？」
A「え…？…さっきから何が言いたいの？」
横山「いや、やからその……」
たった2文字の言葉を告げればいいだけの事やのに
こんなにも緊張するもんなんやな。
けど、言わななんも変わらんねん。
A「……裕？」
Aに言わな…
早くせんと……
Aに……
“好き”
って……………。
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作者名：mi | 作成日時：2021年1月25日 18時
