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『…ん、』
泣いているせいでうまく答えることすらできずに、私は彼の肩を濡らした。
『ジミナは…日本人嫌いだから…っ』
『…無理だよ、嫌いになるなんて。』
耳元で、しっかりと聞こえた彼の声。
『…え…？』
『今更嫌いになるなんて…そんなの無理。だって…』
ゆっくり体を離して、まっすぐ私を見つめる彼と目が合う。
また、溜まっていた涙が溢れて、はっきりと彼が見えた。
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『もう、好きになっちゃったんだから。』
彼の目が優しく弧を描く。
『…っ、』
『ソユナが日本人だからって、あーそうですかじゃあもう嫌いです別れましょうってなれるほど僕の気持ち軽くないよ。』
『…ほん、と…に…？』
『逆に、ソユナは自分が日本人だって打ち明けるだけ打ち明けて僕とバイバイできる程の気持ちだったの？』
とめどなく溢れる私の涙を自分の服の袖で拭いながら彼が聞く。
私はこれでもかというくらい首を横に振って、彼に抱きついた。
『やだ…っ、やだよ…ジミナに嫌われたらどうしようってずっと考えてた、嘘ついてまで付き合ってる自分最低だなって…もっと素直にジミナの幸せに寄り添いたいと思ったしっ、ずっと…っ、ずっと、もう、本当にずっとジミナの傍にいたいって…っ』
そっと彼の手が私の髪を撫でた。
『…僕も、同じ気持ちだよ。ソユナとずっと一緒にいたい。』
『…っ、名前もね、本当はソユンじゃなくてAっていうの、もう全部嘘なのっ、本当にごめんなさい…っ』
『A…？』
初めて
そのとき、初めて彼が私の名前を呼んだ。
こんなに胸があったかくなるんだ
好きな人に名前を呼ばれる、それだけのことなのにこんなに嬉しいんだ。
『ふふ、可愛い名前…A…』
彼がこんなにも優しい表情で、優しい声で名前を呼んでくれていることが嬉しくて、私は声をあげて泣いた。
『ずっと悩んでたんだね、ごめんね、もう大丈夫だよ。』
『違っ…う、ジミナは…悪くないっ』
『あーあ〜また泣かせちゃった。ふふ、目腫れちゃうよ？』
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『大丈夫だよA、愛してるから。』
ずっと夢だった彼に名前を呼んで愛してると言ってもらうこと。
嬉しいなんて言葉じゃもう表せなくて、ただ涙が溢れた。
『私も…っ、愛してるよジミナ…』
『ふふ、うん、知ってる。ね、ちゅーしていい？』
そう言って近づく彼の顔。
私は、そっと目を閉じた。
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Caesar(プロフ) - 最高！！最高です！まず何より、ジミンとの出会いのところからストーリーがリアルで実際にありそう、って簡単に想像できるし、留学生のつかの間の恋、っていうシチュエーションがスパイスになってて、内容をより緻密なものにしてると思います。本当にただただ脱帽です (2022年10月14日 13時) (
レス) @page4 id: 0b14e887c8 (このIDを非表示/違反報告)
mii - 作者さんの文章能力が凄すぎて（言葉の工夫の仕方？とか）とても感動する作品でした😭 表現の仕方とか美しくて泣きました😂 (2021年11月29日 2時) (レス) @page50 id: c1d26c370e (このIDを非表示/違反報告)
ぱんぴー(プロフ) - 反日でも仕方ないよなって思っちゃうやっぱり、素敵な作品でした！ (2021年9月29日 14時) (レス) @page50 id: ddd3529158 (このIDを非表示/違反報告)
みう - これで読むの5回目です。BTSに会いたい・・・ (2021年8月27日 22時) (レス) id: 9b0cace171 (このIDを非表示/違反報告)
みう - 私はジミンがすごい大好きで夢小説わ見るとすごい楽しくなりました。私も韓国人だったらと思いましたまた書いてくれると嬉しいです。泣きそうでした。けど泣きました。 (2021年8月27日 22時) (レス) id: 9b0cace171 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：いと
| 作成日時：2017年8月31日 1時
