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『…なんかあったの？』
『ん、ジミナ…起きてたの？』
んー、と大きく伸びをしたあと、横で眠っていたはずの彼が私の腰に手を回して後ろから抱きしめる。
『ずっと携帯見てるから…』
『あ、ごめんもしかして起こしちゃった？』
『んーん、いいの、ちょっと喉乾いたな、お水飲んでくる。』
そう言って彼はゆっくり起き上がると寝室から出て行った。
携帯の画面を開いた私は慌ててホーム画面に戻る。
隣に本人がいる状況なのにもかかわらず、こうしてまたアンチファンのツイートを漁ってしまう自分にも嫌気がさして、大きく一息ついてぎゅっと目を瞑った。
カチャ、とドアの開いた音がして足音とともに彼が近づくのがわかる。
また腰に手を回すと、ぎゅっと後ろから私を抱きしめる。
気のせいだろうか
さっきよりも少しだけ、抱きしめる力が強くなっていた気がしたのは。
『どうしたのそんなにくっついて、』
『…今日はこうして寝ようかなって』
お互い同じ方向を向きながらぽつり、ぽつりと会話をする。
話すたびに耳にかかる彼の息が、くすぐったくて、思わず身をよじる。
『ん？』
『…くすぐったいの。』
『うん、わざとそうしてる。』
そう言うと今度は普通に耳に息を吹きかける彼。
『ふふっ、ねえ、やめて。』
『可愛い、』
くるっと向きを変えて彼と向き合う形になる。
そっと彼の手が私の頬を包み、ゆっくり至近距離でお互いを見つめ合って、どちらからともなくそのまま唇を重ねた。
彼が目を閉じたあと私も同じように目を閉じる。
優しくとろけちゃいそうなキスをくれた彼の唇がゆっくりと離れて、この世で一番愛おしいものを見つめるような目で私を見る。
『私、今すっごく幸せ。』
『…僕も。』
優しく私の頬を撫でる彼の手に自分の手を重ねて、このまま時が止まってしまえばいいのにと、そんなことを考えた。
今、この時が
このままずっと
止まってしまえばいいのにと。
『愛してるよ、ソユナ。』
『…嫌、』
彼が愛しそうに呼ぶその名前は、私の名前なんかじゃない。
『ふふ、どうして嫌なの？こんなに可愛い名前なのに。』
『…可愛くなんかない…』
違うんだよジミン
Aって呼んで、
私の本当の名前は、ソユンなんかじゃなくて、Aなんだよ。
せめてもう少しだけ、韓国人に近い名前だったらなぁと後悔する頃にはもう何もかもが遅すぎて
今日も目の前で微笑む彼は愛しそうに架空の人物の名前を呼ぶ。
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Caesar(プロフ) - 最高！！最高です！まず何より、ジミンとの出会いのところからストーリーがリアルで実際にありそう、って簡単に想像できるし、留学生のつかの間の恋、っていうシチュエーションがスパイスになってて、内容をより緻密なものにしてると思います。本当にただただ脱帽です (2022年10月14日 13時) (
レス) @page4 id: 0b14e887c8 (このIDを非表示/違反報告)
mii - 作者さんの文章能力が凄すぎて（言葉の工夫の仕方？とか）とても感動する作品でした😭 表現の仕方とか美しくて泣きました😂 (2021年11月29日 2時) (レス) @page50 id: c1d26c370e (このIDを非表示/違反報告)
ぱんぴー(プロフ) - 反日でも仕方ないよなって思っちゃうやっぱり、素敵な作品でした！ (2021年9月29日 14時) (レス) @page50 id: ddd3529158 (このIDを非表示/違反報告)
みう - これで読むの5回目です。BTSに会いたい・・・ (2021年8月27日 22時) (レス) id: 9b0cace171 (このIDを非表示/違反報告)
みう - 私はジミンがすごい大好きで夢小説わ見るとすごい楽しくなりました。私も韓国人だったらと思いましたまた書いてくれると嬉しいです。泣きそうでした。けど泣きました。 (2021年8月27日 22時) (レス) id: 9b0cace171 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：いと
| 作成日時：2017年8月31日 1時
