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『…ジミナ、起きて。』
『んー…』
深夜1時を回った頃、最初は私を抱きしめて寝ていたくせにいつの間にか私に抱きついている状態で寝ている彼を起こす。
『ジミナ〜、』
『ん…もう少し、』
そう言って私の胸元に顔を埋める彼。
彼の呼吸と、ふわふわの髪の毛が当たって妙にくすぐったい。
『くすぐったいよ、ふふっ、ねえ、早く起きて？』
ゆっくり顔を上げた彼と目があう。
と言っても、彼は重たい目を開けるので精一杯なのか、それも片目しか開いていなかったけど。
『おはよ、』
『…はよ…』
するりとベッドから抜けて、彼の腕を引っ張り無理やり体を起こす。
『行こ！』
『ん…ちょっと顔洗ってくるね、』
そう言ってゆっくりゆっくり歩いて洗面所へ向かう彼の背中でさえも、愛しく思う。
最近は見ることが当たり前になりつつあるこの景色も、あと1週間後には見れなくなっているなんて、今の私には信じられなかった。
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『え、ソユナの行きたいところって…』
『…そう、釜山。』
『僕の地元じゃん、』
深夜、ほとんど誰もいない静かな海岸にやってきた。
ここは、彼の生まれ育った場所、釜山。
私はその空気に、触れてみたかったのだ。
少し肌寒いくらいの風が頬を切る。
『…寒くない？』
そう言って自分の着ていたパーカーをそっと羽織らせてくれる彼。
ほら、絶対に優しい。
ジミンの、こういうところを好きになったんだ。
『ありがとう。』
『でも急にどうしたの？僕の地元なんて、』
『この場所にくれば、もっとジミナを感じられるかなぁーって思ったの。』
『…寂しい想いさせてたんだね、ごめん。』
そう言ってゆっくり後ろから私を包み込む彼。
『ふふ、違うよ。』
『え…？』
そんな彼の少し冷たい手に自分の手を重ねる。
『…ジミナの全部、を、感じられるかなぁーって。防弾少年団になる前のジミナもー、私と、出会う前のジミナも。』
『…ソユナ？』
『全部…好きだよ、ジミナの全部。』
ゆっくり体の向きを変えて、彼と向き合う。
『…本当に好き、大好き。』
『…なんかあった？』
『ふふ、なんでそんなこと聞くの？好きって言ってるだけじゃん。』
『…やだよ、ソユナ』
『え？』
そう言うと、苦しいくらいに私を抱きしめる彼。
『なんか…ソユナがどっか行っちゃいそう…』
彼には、全部お見通しなのかな。
『どこにも行かないよね…？』
行かないよ、
…行きたくないよ。
『…大丈夫だよ。』
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Caesar(プロフ) - 最高！！最高です！まず何より、ジミンとの出会いのところからストーリーがリアルで実際にありそう、って簡単に想像できるし、留学生のつかの間の恋、っていうシチュエーションがスパイスになってて、内容をより緻密なものにしてると思います。本当にただただ脱帽です (2022年10月14日 13時) (
レス) @page4 id: 0b14e887c8 (このIDを非表示/違反報告)
mii - 作者さんの文章能力が凄すぎて（言葉の工夫の仕方？とか）とても感動する作品でした😭 表現の仕方とか美しくて泣きました😂 (2021年11月29日 2時) (レス) @page50 id: c1d26c370e (このIDを非表示/違反報告)
ぱんぴー(プロフ) - 反日でも仕方ないよなって思っちゃうやっぱり、素敵な作品でした！ (2021年9月29日 14時) (レス) @page50 id: ddd3529158 (このIDを非表示/違反報告)
みう - これで読むの5回目です。BTSに会いたい・・・ (2021年8月27日 22時) (レス) id: 9b0cace171 (このIDを非表示/違反報告)
みう - 私はジミンがすごい大好きで夢小説わ見るとすごい楽しくなりました。私も韓国人だったらと思いましたまた書いてくれると嬉しいです。泣きそうでした。けど泣きました。 (2021年8月27日 22時) (レス) id: 9b0cace171 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：いと
| 作成日時：2017年8月31日 1時
