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部屋を出て走った。
涙が溢れて止まらなかった。
永瀬先輩が結婚するって報告をしてきた時より、泣いた。
周りからは変な目で見られたけど、そんなのどうでもいい。
トイレにこもって、泣いた。
人に恋をするということ。
愛するということ
触れたいと思うこと
初恋の永瀬先輩には、こんな感情は抱かなかった。
いや、抱けなかった……？
「全部全部…遅いのよ……」
気づくのが遅かった。
もっと素直になってれば
好きだよって言われた時、私もですって言ってれば
少しでも裕福な家庭に生まれてれば
「好きになっちゃったじゃないですか…バカあ…」
普段なら『何泣いてるの？』って頭を撫でて抱きしめてくれるのに…
あの時の温もりが体に残って忘れられない。
抱きしめてほしい
キスもしてほしい
触れてほしい
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作者名：紫ネコ | 作成日時：2019年8月18日 15時
