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神宮寺side
繋いだ彼女の手は震えてた
ずっと離したくたい。今日だけなんて。
A「社長、そろそろ手……」
神「なに？」
A「手汗かいちゃいます(笑)」
神「ふふ(笑)かいてないから良いじゃん？」
A「やめてください(笑)」
手を繋ぐだけじゃ足りない。
抱きしめたい。
はあ、俺こんな奴じゃなかったはずなのに……
A「これ可愛いな…」
神「ん？」
蝶々の型にラベンダーの押し花のキーホルダー。
俺が付き合ってきた子は惹かれもしなかった。
もちろん、嫁になる予定のあの子も。
神「欲しい？」
A「止めておきます。ちょっと高い(笑)」
5000円もするって、ちょっと離れる。
このくらい買ってあげるのに。
彼女が望むなら、箱ごと(笑)
A「暗くなってきましたね…」
神「本当だね。」
A「そ、そろそろ…帰りましょうか？
ほら、明日お互い仕事だし。社長大事な取引だって…」
嫌だ。帰りたくない。
帰ったら、出会う前の関係に戻ってしまう…
明日からは友達でもなんでもない、"他人"なんだから…嫌だ……
Aちゃん、これもワガママなのかな？
神「ねえ、Aちゃん……？」
A「はい？」
神「このまま、逃げちゃおうか。」
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作者名：紫ネコ | 作成日時：2019年8月18日 15時
