彼女のヒミツ2 (ページ26)

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クラスで唯一、

熱心に向き合ってくれる生徒

そんな彼女の口から"感謝"という言葉

普段はあまり、

オモテに感情を出さない柊でも

その時ばかりは

表情筋が緩み、いつもより穏やかに感じる

「って、私暑苦しいですよね。

ホント何言ってるんだろう……」

「いや、まさかお前が

そんなこと考えてるとは思わなくてな。

俺も住内みたいな

生徒に出会えて嬉しいよ、ありがとう」

柊の返事に

涙腺が崩壊しそうになったのか

思わず、顔を隠す彼女

「柊先生」

「どうした？」

「先生には秘密とかあったりしますか？」

俯いたまま話を続ける彼女

「人に言わないのが秘密だろ」

「まぁ、確かにそうですけど………」

「何かあったのか？」

柊が問い出すと

ゆっくりと顔を上げる彼女

「実は………

………………なーんてね、嘘です」

「…………」

「すいません、冗談です。

………でも、

Let's thinkですよ、先生」

それだけ言うと

彼女は美術室から立ち去り

一方で、柊は

ただ目の前の作品を見つめていた