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拾捌 ページ18
桜妃の首は、その日のうちに斬り落とされた。
静かに、綺麗に。
勿論彼女の死を悲しむものなどいなかった。
桜妃は鬼について漏らす訳でもなく、枯れていった。
何時もと何ら変わりのない一日の終わりだった。
今日も、欠けることも無く満ちた月が澄み切った空に昇って。
鬼舞辻の愛するものは既に消えた。
塵となって、もっと遠くへ、遠くへ、風に乗って彷徨い続ける。
───────鬼舞辻は、ずっと気づかないだろう。
己が琴枝を殺 したことで、
桜妃が死んでしまったことを。
あの日桜並木で、自らの血を与えたことで二度、愛する者を殺 めたということも。
桜妃の部屋だったところには、深く根付いたトリカブトと、鬼舞辻によって贈られた花浜匙だけが存在していた。
──────────
花浜匙の花言葉「永久不変」
トリカブトの花言葉「あなたは私に死を与えた」
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作者名:白桃。 | 作成日時:2020年1月12日 14時