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拾陸 ページ16
ぱちり、と重たい瞼を上げた途端、わたくしを囲む大勢の人の顔が目に飛び込んできました。
｢あの、｣
ここはどこか、と続ける前に、わたくしを囲む人々の刀の切っ先が一斉にわたくしの喉元目掛けて向かってきます。
自分の身体をよくよくみれば縄で足も腕も縛られており、一歩出れば陽の光が射し込んでいて、自らの心臓を鬼殺隊に握られているような状況でございました。
はなから戦意なんてものは無いわたくしはただただ、じっとしてここでの死を覚悟しました。
そんな中、どこか落ち着く、遠くでぼんやりと聞いていたいような宥める声が聞こえて参ります。
｢そのくらいにしておやり。この子には、もう戦意は無いよ。｣
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作者名：白桃。 | 作成日時：2020年1月12日 14時
