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拾参 ページ13
わたくしは、桜妃。
気高き鬼に御座います。
鬼の永遠の頂点、無惨様もわたくしめをまるで西洋のお人形を扱うように可愛がってくださいます。
そんなわたくしですが、何もかも、忘れてしまったのです。
どれだけの人を食べてきたのかも、どれだけの月日をこの部屋で過ごしてきたのかも。
記憶のないわたくしは、赤子も同然でございます。
自分の足りない頭脳で想像するに、記憶を失うような出来事が起こったことが、毎日毎日この十畳あまりのお世辞にも綺麗とは言えない部屋に幽閉されている原因なのでしょう。
「桜妃。具合はどうだ。」
今日も琵琶の音と共に、無惨様はやって参ります。
嗚呼、花浜匙を一輪 手にして。
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作者名:白桃。 | 作成日時:2020年1月12日 14時