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拾壱 ページ11

襖からほおり落とされた桜妃が頭を抱えたまま蹲っていると、ひたひたと足音を立てて何者かが彼女のもとへ歩み寄ってきました。
｢桜妃。｣
無惨です。
しかし名前を呼んでも尚顔を上げない桜妃に眉根を寄せて、彼女の顎を掴んで上を向かせました。
｢あ、あ、無惨さま…｣
はくはくと口を動かす桜妃に、無惨はすうっと目を細めます。
｢桜妃。気づいていないかもしれないが、お前の中には琴枝の心が残っているのだ。そいつは、私の神経を酷く逆撫でする。現に、お前は其奴の記憶に引っ張られ、とち狂った狂人のようになっている。｣

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作者名：白桃。 | 作成日時：2020年1月12日 14時

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