43話 ページ4
『断らせてもらう。』
驚いてはいたが玉章側につくということはリクオの敵になるという事ということは分かったので迷わずに返事をした。
「何故かな?」
『逆に聞くが何故俺がお前につかなければいけない?』
質問に質問で返すなと言うがこの際は気にしていなかった。柊の中では疑問の方が勝っていた。
「そうだね…君は人にしては強いだろう?」
『…つまり"なるべく強い駒が欲しいから"か?』
無表情のまま柊は確認をした。
「まぁ、それもあるね。でもね、君も分かってると思うけど君は所詮は人なんだ。言いたくは無いけどリクオ君を支えるなんて、君には出来はしないんだ。それが目に見えて分かってしまう前に離れた方がいいと思ってね。」
玉章は柊が最近気にしていた事を言ってきた。
旧鼠のときも牛鬼のときも一緒にいなかったのは人間である自分がリクオに迷惑を掛けてしまわないかと思い自分から離れていた。
最も、柊がこんな風に思ってしまうのは前世のせいで誰かに頼るということを酷く不慣れでよく分からないという理由が大きい。
『……』
「どうだい?僕は君を受け入れるよ?」
柊はどうしていいのか分からずに動けないでいた。
そんなときにたまたまゆらが通りかかった。
「あれ?龍崎君?なにしとるん、こんなところで…」
呼びかけても返事が無い柊に不思議に思い近づいたゆらは玉章達のことが視界に入っていなかった。
「龍崎君!どないしたんや!」
ゆらに肩を揺すられてようやく近くにゆらがいた事にきづいた。
『うおっ!?』
目の前にゆらの心配そうな顔がドアップで見え驚いた。
『花開院…?』
「どーしたんや、龍崎君…らしくない」
『え…あぁ、悪い。考え事しててな』
2人は玉章達の事を忘れて話していた。
それを犬神がしびれを切らして怒鳴った。
「お前なんぜよ!急に入ってきて!!」
ゆらは案の定気づいていなかったらしく
「な、なんや?!…て、何時からおったんやあんたら!!」
「俺達が話してたらお前が入って来たんだろーが!!」
「え!?」
気付いて無かったのか…と柊は呆れた。
犬神はゆらが入ってきた事で苛ついて妖気が溢れた。
「!?…龍崎君下がって!こいつら妖怪や!!」
それにゆらが気付き柊を下がらせようとした。
「それは困るな…まだ彼には返事を聞いていないからね。」
「返事?」
それまでこの場にいなかったゆらは何の事か分からず首を傾げた。
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ロゼ(プロフ) - とっても面白かったです!! (2015年1月20日 0時) (レス) id: d11948592b (このIDを非表示/違反報告)
サユリ - こんなに、面白いのでまっときまーす♪ (2014年9月11日 17時) (レス) id: ebfa05ed67 (このIDを非表示/違反報告)
ユウク(プロフ) - ご安心を、いつまでも待っています (2014年6月19日 22時) (レス) id: 738094e02b (このIDを非表示/違反報告)
朱鷺(プロフ) - 面白かったです!待ちます!!いくらでも待ってます!! (2014年6月19日 19時) (レス) id: d68cf5cff3 (このIDを非表示/違反報告)
アレン - お久しぶりですww面白かったです!! (2014年5月20日 23時) (レス) id: 23e9e8b10c (このIDを非表示/違反報告)
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作成日時:2014年4月9日 21時