ん？トリップした？【ぬら孫】2 (ページ13)

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52話ページ13

「なんでこんな無茶したんだ！１人でどうにかなる相手じゃないって柊ならわかってるだろ!?もう少しで死ぬところだったんだぞ!ずっと目も覚めないし…」

え…?─俺ってそんなに寝てたの??
それに無茶って…

『仕方ないだろ！あいつらはただじゃ帰してくれないのはわかってたし、花開院は何を言っても聞かないし─!!
なら俺も残るしかないだろ!?俺があいつを巻き込んじまったんだから怪我なんかさせるわけにはいかないから俺が…俺がどうにかするしかないじゃないか!!』

こんな風に誰かに本音をぶつけたのはこの世界にきてから初めてだ。周りに人がいるけどそんなこと気にならなかった。

-だってどうすればよかったんだよ！

「だからどうしていつも１人で片付けようとするんだ！僕らは友達だろ、仲間だろ!!もっと頼ってくれればいいじゃないか!!」

『俺のせいで誰かを巻き込んだりしたくないんだよ！頼れば巻き込む事になるし迷惑をかけるじゃないか！友達だから、仲間だからこそ怪我とかしてほしくないんだよ!!』

周りは何も言わずに柊の話すことを聞いていた
「…それは僕も、僕らも同じだよ。──だからわかるでしょ、柊が僕らに怪我をしてほしくないのと同じ様に僕らも柊に怪我をしてほしくないんだ。」

「リクオの言うとおりだぜ。大体仲間ってのはそういうもんだろーが」

「そうですよ。頼っていいんです」

『けど…』

柊は頼っていいと言われても怪我をしてほしくないし、かといって頼らずに心配をかけるのも嫌なのでどうしたらいいかわからずにいた。

「僕は柊に頼ってほしい」

『頼るっていっても…』

未だに不安げな顔をする柊にリクオがしびれを切らした。

「僕らに柊の事を守らせて！ってこと!!」

『っ、』

柊の頬を何かが伝った。

「お前、何も泣くことないだろ」

ゼンに言われて自分が泣いている事に初めてきがついた。

『え?──あ、本当だ。何でだろ、今まで泣いたこと無いのにな

親父とお袋が死んでも泣かなかったのに何で今になって…』

「泣いたこと、無いの?」

リクオは不思議に思って尋ねた。

『昔っから泣いたこと無いんだよ。何があっても全然泣けなかったんだ…
別に悲しい訳じゃないのになんで涙って出てくるんだ?

どうやって止めるんだよ…？』

「そんなの、今までの分泣けばいいんだよ」

リクオは柊を抱きしめて頭の後ろに手をまわし、ポンポンとたたいた。

リクオ以外は気をきかせて部屋から出ていった。